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218件

病原菌:Erysiphe属・Podosphaera属などの子嚢菌。葉や新梢の表面に白い粉状の菌叢(菌糸と分生子)が広がり、光合成を阻害して樹勢を低下させる。進行すると葉が黄変・縮れ、早期落葉を招く。盆栽では梅(ウメ)、楓(カエデ)、薔薇(バラ)、百日紅(サルスベリ)などに多発。風通しが悪く日照不足の環境で蔓延しやすい。初期症状は葉表面のうっすらとした白い粉で、指で触ると粉が付く。雨水がかからない棚下の葉裏から発生することが多い。予防には風通しの改善、窒素過多の回避、発生初期の罹病葉の除去が有効。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月(特に5〜6月と9〜10月)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃(湿度40〜70%の乾燥気味の環境で胞子が飛散しやすい)。
対応薬剤 24件

病原菌:Diplocarpon rosae(バラ黒星病の場合)・Venturia属など。葉の表面に黒褐色の円形〜不整形の斑点が発生し、斑点の周囲が黄変する。進行すると大量の葉が落ち、繰り返し感染すると樹勢が極端に低下する。盆栽ではバラ、梅(ウメ)、梨(ナシ)、リンゴなどバラ科の樹種に特に多い。雨滴の跳ね返りで下葉から感染が広がるのが特徴。初期は直径2〜3mmの黒い点から始まり、次第に拡大して数cm大の不整形斑になる。予防には罹病落葉の除去、雨除け管理、株元のマルチングが効果的。長雨が続く時期は予防散布が重要。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(特に梅雨期の6〜7月に多発)。発生しやすい気温の目安:15〜25℃(20℃前後の多湿時が最適条件)。
対応薬剤 18件

病原菌:Puccinia属・Gymnosporangium属などの担子菌(さび菌)。葉の裏面に橙色〜赤褐色の粉状の胞子堆(夏胞子堆)が発生し、表面には黄色〜橙色の小斑点が現れる。盆栽では松(マツ)、杉(スギ)、楓(カエデ)、梨(ナシ)、ボケなどに発生。特にマツのさび病はいくつかの種類があり、五葉松の葉さび病は代表例。多くのさび菌は異種寄生性で、2種類の寄主植物を行き来して生活環を完成させる。初期症状は葉の表面に小さな黄色い斑点が点在し、裏返すとさび色の粉(胞子)が付着している。予防には罹病葉の早期除去と中間寄主の除去が有効。【関東】発生しやすい時期:4月〜6月・9月〜11月(春と秋の湿度が高い時期)。発生しやすい気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 14件

病原菌:Botrytis cinerea(ボトリティス・シネレア)。花弁、つぼみ、枯れた葉に灰色〜灰褐色のビロード状のカビが密生する。感染部位は水浸状に軟化し、やがて褐変腐敗する。盆栽では梅(ウメ)、桜(サクラ)、椿(ツバキ)、バラなど花を楽しむ樹種の開花期に大きな被害を与える。枯れた花弁や落ち葉が主要な感染源となるため、こまめな清掃が重要。低温多湿環境(特に雨天や曇天が続く時期)で急速に広がる。初期症状は枯れた花弁や葉にうっすらした灰色のカビ。風通しの改善、花がら摘み、枯葉の除去が最も効果的な予防策。【関東】発生しやすい時期:3月〜6月・9月〜11月(特に梅雨前後・秋雨時期に多発)。発生しやすい気温の目安:15〜25℃(20℃前後の多湿環境が最適条件)。
対応薬剤 12件

病原菌:Colletotrichum属(コレトトリカム)。葉に暗褐色〜黒色の円形〜楕円形病斑が生じ、病斑上にサーモンピンク〜橙色の粘質な分生子塊が形成されるのが特徴。病斑の中心部は灰白色に退色し、同心円状の輪紋を伴うことが多い。盆栽では楓(カエデ)、椿(ツバキ)、柿(カキ)、桜(サクラ)、イチジクなどに多発。高温多湿の環境で雨滴による飛散で急速に広がる。初期症状は葉の表面に小さな褐色の丸い斑点。風通しの改善、罹病葉の早期除去、雨除け管理で予防できる。窒素過多の施肥は発病を助長するため注意。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(特に梅雨〜盛夏の高温多湿期に多発)。発生しやすい気温の目安:22〜28℃(25℃前後の多湿が最適条件)。
対応薬剤 27件

病原菌:Septoria属・Cercospora属・Phyllosticta属など多数の糸状菌。葉に直径1〜10mm程度の褐色の円形〜不整形の斑点が多数発生し、進行すると斑点が融合して広範囲の枝葉が褐変。重症化すると早期落葉が進み樹勢が低下する。盆栽では楓(カエデ)、桑(クワ)、ケヤキ、ポプラス、モミジなど広葉樹全般に発生。下葉から発症し上位に広がる傾向がある。雨滴の跳ね返りで胞子が飛散し二次感染が拡大。罹病落葉の清掃、風通しの確保、過密植えの回避が予防の基本。【関東】発生しやすい時期:6月〜10月(特に梅雨明け以降の高温多湿期)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 18件

病原菌:Pythium属・Phytophthora属・Fusarium属などの土壌病原菌。根が褐変・軟化して腐敗し、吸水機能が失われる。地上部では葉色が淡くなり、生育が停滞し、最終的に樹全体が枯死する。盆栽では古土の使い回し、過湿管理、排水不良の用土が主原因。全樹種に発生の可能性があるが、特に松(マツ)、真柏(シンパク)、モミジ、ブナなどが罹患しやすい。初期症状は「水をやっても葉に元気がない」という状態。鉢から抜いて根を確認すると、健全な白い根が少なく褐変・黒変している。予防には排水性の良い用土、適切な灌水管理、定期的な植え替えが最重要。【関東】発生しやすい時期:通年(特に6月〜9月の高温多湿期)。発生しやすい気温の目安:地温20℃以上の高温多湿条件。
対応薬剤 3件

病原菌:Rosellinia necatrix(ロゼリニア・ネカトリクス)。根の表面に白い網目状の菌糸が蔓延し、根を包み込んで腐敗させる深刻な土壌病害。寄主範囲が非常に広く、ほとんどあらゆる樹種に発生する。盆栽ではカエデ、ケヤキ、ウメ、サクラ、ライラックなどが罹患。地上部の症状は葉が小さくなり黄化、枝の伸びが悪くなる。進行すると樹全体が急に枯死する場合がある。鉢から抜くと根に白い菌糸がびっしり絡み付いているので診断は容易。土壌伝染性が強く、一度発生すると根絶が困難。感染樹の用土は再使用しないことが鉄則。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月(地温が上がる時期に感染拡大)。発生しやすい気温の目安:地温15〜28℃(22℃前後が最適)。
対応薬剤 5件

病原菌:Pestalotiopsis属・Septoria属・Cercospora属など多数。葉先や葉縁から褐変が始まり、内側に向かって枯れ込む。枯れた部分と健全部分の境に暗褐色の線ができる場合がある。盆栽では特に松(マツ)・五葉松、真柏(シンパク)、杉(スギ)、檜(ヒノキ)など松柏類に多く見られる。過密植え、風通し不良、雨滴による胞子飛散が主な感染経路。松の場合、古葉から発症して枯れ下がったようになるのが特徴。予防には罹病葉の早期除去、風通し改善、葉すかしによる過密解消が有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(特に梅雨期から盛夏)。発生しやすい気温の目安:25〜30℃。
対応薬剤 7件

病原菌:Capnodium属・Meliola属などのすす病菌。葉や枝の表面が黒いすす状のカビで覆われ、光合成を大きく阻害する。病原菌自体が植物に寄生するわけではなく、アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミなどの吸汁害虫が排泄する甘露(かんろ)を栄養源として繁殖する。盆栽ではウメ、カエデ、ケヤキ、マツ、モチノキなど広く発生。すす病自体を治すのではなく、原因となる吸汁害虫の防除が根本的な解決策。すすは水で洗い流すか、濡れた布でふき取ることができる。害虫防除後は自然に消失することが多い。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月(吸汁害虫の活動期に付随)。発生しやすい気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 7件

病原菌:Peronospora属・Pseudoperonospora属・Plasmopara属などの卵菌(オーマイセテス)。葉の表面に淡黄色〜褐色の不整形病斑が生じ、裏面に灰白色〜淡紫色の露状のカビ(胞子嚢柄)が発生する。多湿環境で急速に蔓延し、重症化すると葉全体が褐変・枯死する。盆栽ではブドウ、バラ、キク、アジサイなどに発生。雨天や曇天が続き、気温がやや低い時期に多発する。予防には風通しの確保、過湿回避、下葉からの風通し改善が有効。【関東】発生しやすい時期:4月〜6月・9月〜10月。発生しやすい気温の目安:15〜22℃(多湿条件で胞子形成が活発化)。
対応薬剤 18件

病原菌:Gymnosporangium属のさび菌。葉の表面に橙色〜赤色の星状・円形の病斑が現れ、裏面には黄橙色の毛状突起(鉤胞子器)が形成される。異種寄生性で、中間寄主のビャクシン類(カイズカイブキ等)から飛来する胞子で感染する。盆栽では梨(ナシ)、リンゴ、ボケ、カリンなどバラ科に発生。予防の最良の方法は近くのビャクシン類を除去すること。花が咲く前からの予防散布も有効。【関東】発生しやすい時期:4月〜6月(ビャクシンからの胞子飛散は春雨時)。発生しやすい気温の目安:15〜22℃。
対応薬剤 7件

病原菌:Botryosphaeria berengeriana(リンゴ・ナシ果実の輪紋病の主因)・Alternaria属・Phomopsis属など。葉や果実に同心円状の輪紋が現れる病気で、病斑の中心部には小黒点(柄子殻)が形成されることがある。果実では褐色に軟化・腐敗し、枝には疣状の突起が形成される。進行すると落葉・落果を引き起こし樹勢が低下。盆栽ではリンゴ、ナシ、カキ、ウメなどの果樹系やケヤキ、カエデなどに発生。多湿・高温条件で胞子が飛散し二次感染が拡大する。予防には罹病葉・罹病枝の除去と風通し改善が有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 7件

病原菌:Cercospora属・Septoria属・Xanthomonas属(細菌性)など多様な病原体による病害の総称。葉に大小様々な斑点が形成され、糸状菌性のものは円形で同心円状の紋様を持ち、細菌性のものは水浸状で不整形な場合が多い。盆栽ではケヤキ、カエデ、ウメ、サツキ、ツバキなど広範囲の樹種に発生。予防には罹病葉の早期除去と過湿回避が有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 10件

病原菌:Rhizoctonia solani・Pythium属・Fusarium属などの土壌病原菌。苗や若木の地際部が水浸状に変色し、くびれて倒伏・枯死する。盆栽では挿し木・取り木苗や実生苗に多発。多湿・連作・未熟堆肥の使用が発病を助長。新しい清潔な用土の使用、排水性の確保、過湿回避が予防の基本。発病すると治療は困難なため、予防が最も重要。【関東】発生しやすい時期:4月〜9月。発生しやすい気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 4件

病原菌:Agrobacterium tumefaciens(アグロバクテリウム。2001年にR. radiobacterへの再分類が提案されたが2020年にA. tumefaciensが正名として再確立)。細菌が植物のDNAに自らの遺伝子を組み込み、根や地際にこぶ状の腫瘍(ゴール)を形成させる。不正な細胞分裂により植物ホルモンが乱れ、樹勢が著しく低下する。盆栽ではバラ、ウメ、サクラ、ブドウなど多くの樹種に感染。接ぎ木・取り木苗の導入時に感染樹を持ち込まないことが重要。こぶが小さいうちに切除し細菌の拡散を防ぐ。感染した用土は再利用しない。【関東】発生しやすい時期:地温が上がる4月〜10月(傷口から侵入)。発生しやすい気温の目安:地温15℃以上。

病原:Taphrina wiesneri(サクラの場合)等の子嚢菌。感染した枝から多数の微小な枝が密生し、鳥の巣やほうきのような形状になる。発病枝は花をつけず、樹形を大きく乱す。盆栽では桜(サクラ)、桃(モモ)、梅(ウメ)などバラ科に多発。花がつかず枝だけが密生する異常は発見が容易。発見次第、発病枝を基部から切除することが唯一の防除法。放置すると胞子が飛散し他の枝に感染が拡大する。切除後は切り口に癒合剤を塗布する。【関東】症状が目立つ時期:春〜秋。病原は樹体内で通年。発生しやすい気温の目安:新梢伸長期の15〜25℃。
対応薬剤 5件

病原菌:Phomopsis属・Botryosphaeria属など。枝先や新梢が褐変し枯れ込む病気。病原菌の種類により症状が異なるが、多くは剪定傷や凍害、乾燥ストレスなどから侵入する。進行すると枝全体が枯死し、樹勢を著しく低下させる。盆栽ではマツ、カエデ、サツキ、ツツジなどに発生。予防には適切な剪定と切り口の保護、樹勢の維持が重要。罹病枝は早期に切除し、病原菌の拡散を防ぐ。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月。発生しやすい気温の目安:25〜30℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Exobasidium属の担子菌。若葉や新梢が餅状に肥厚・変形し、色が淡緑〜白色になる独特の症状。進行すると変形部の表面に白い粉状の胞子が形成される。盆栽では椿(ツバキ)、サツキ、シャクナゲなどツバキ科・ツツジ科に多発。春先の冷涼多湿の時期に発生しやすい。発見次第、肥厚した葉を胞子が飛散する前にもぎ取ることが重要。樹勢への影響は軽微な場合が多いが、毎年多発すると美観を損ねる。【関東】発生しやすい時期:3月〜6月(芽吹き直後の降雨後)。発生しやすい気温の目安:10〜20℃。
対応薬剤 6件

半翅目アブラムシ上科に属する吸汁性害虫の総称。新芽や若い葉の裏側に群生し、口器を差し込んで師管液を吸汁する。被害を受けた新梢は縮れ、葉が巻き、生育が停滞する。また、甘露(かんろ)を分泌してすす病を誘発するほか、ウイルス病の媒介者ともなる。繁殖力が非常に強く、春〜秋は無性生殖(単為生殖)で急速に増殖する。盆栽ではほぼ全ての樹種に発生するが、特に梅(ウメ)、楓(カエデ)、薔薇(バラ)、株・桜(サクラ)の若枝に多発。早期発見・早期防除が重要で、少数なら水で洗い流すかテープで捕殺。天敵にテントウムシ、ヒラタアブ等がいる。【関東】被害が多い時期:4月〜6月・9月〜10月(特に新芽展開期)。活動気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 30件

病原菌:Sclerotinia sclerotiorum等。茎葉が水浸状に軟化腐敗し、白い綿状の菌糸と菜種大の黒色菌核を形成する。菌核は土壌中で数年生存し、多湿条件で発芽して感染を繰り返す。盆栽ではツバキ、サクラ、ウメなどの花がらや枯れ葉がたまる場所で発生しやすい。予防には楽しんだ花がらの清掃と過湿回避が重要。【関東】発生しやすい時期:3月〜6月・10月〜11月(低温多湿期)。発生しやすい気温の目安:15〜22℃。
対応薬剤 9件

ダニ目ハダニ科に属する微小な吸汁性害虫。主にナミハダニ、カンザワハダニなどが盆栽で問題となる。葉の裏側に寄生し、口器で細胞内容物を吸汁するため、被害葉は白っぽくかすれたようになり、重症になると葉が褐変・落葉する。高温乾燥時に爆発的に増殖し、数日で何十倍にもなる。盆栽ではほぼ全樹種に発生するが、特にカエデ、ケヤキ、サツキ、バラ、ツバキに多い。ルーペで葉裏を観察すると微小な赤〜黄緑色の点が動いているので確認できる。予防には葉水(樹冠への散水)が非常に有効で、乾燥環境を作らないことが重要。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(特に盛夏の高温乾燥期)。活動気温の目安:25〜30℃以上で急増。
対応薬剤 14件

病原菌:Phytophthora属(フィトフトラ)。葉や枝に水浸状の暗緑色病斑が急速に拡大し、数日で枝葉が褐変枯死する。降雨・過湿条件で水を介して急速に蔓延する。盆栽ではツバキ、シャクナゲ、ボタン、ランなどに発生。根からの感染で樹全体が急速に枯死するケースもある。排水性の良い用土と過湿回避が予防の基本。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(特に梅雨期〜秋雨期)。発生しやすい気温の目安:18〜25℃。
対応薬剤 8件

半翅目カイガラムシ上科の吸汁性害虫。ロウムシ、コナカイガラムシ、マルカイガラムシなど多数の種がある。枝や幹に固着して吸汁し、ロウ質の殻(ロウムシ類)や綿状の分泌物(コナカイガラムシ類)で身を覆うため、薬剤が届きにくい。重症化すると枝の一面に白いこぶが密生し、樹勢が著しく低下する。甘露を分泌しすす病やこうやく病を誘発。盆栽ではマツ、ウメ、カエデ、ツバキ、サツキ、モチノキなど全樹種に発生。幼虫の移動期(孵化直後)が最も効果的な防除時期。休眠期のマシン油乳剤散布が有効。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(幼虫移動期)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 23件

病原菌:Elsinoe属。葉や枝、果実に黒褐色のいぼ状・粒状の隆起した病斑ができる。特に春の降雨で胞子が飛散し感染が拡大する。盆栽ではブドウ、ウメ、ナシ、カキなど果樹系が罹患しやすい。葉が変形・縮れ、枝にいぼ・かさぶた状の変色が見られる。予防には発芽前の段階での薬剤散布が有効。【関東】発生しやすい時期:4月〜7月(春雨時)。発生しやすい気温の目安:15〜24℃。
対応薬剤 4件

蛾や蝶の幼虫の総称。葉を食害し、大量発生すると短期間で樹を丸坊主にする。代表的な種類にアメリカシロヒトリ、ドクガ、イラガ、ヨトウムシなどがある。毛虫類には毒針毛を持つものがおり、素手で触れると皮膚炎を起こすため注意が必要。盆栽ではほぼ全樹種に発生。早期発見が重要で、若齢幼虫のうちは絡み合って集団でいるため、葉ごと切り取るのが効果的。分散後は接触剤や浸透移行性薬剤で防除。【関東】被害が多い時期:4月〜6月・8月〜10月(年数世代発生)。活動気温の目安:15〜28℃。
対応薬剤 25件

病原菌:Taphrina deformans(タフリナ)。葉が縮れ・肥厚して波打ち状に変形し、赤変や黄化を伴う独特の症状。芽吹き直後の若葉に特に発症しやすく、冷涼多湿の条件で多発する。盆栽では桃(モモ)、ネクタリン、アーモンドなどに発生(ウメの縮葉病はTaphrina mumeによる別種)。発症葉は美観を大きく損ねるが、胞子形成前に切除すれば拡大を防げる。予防には芽吹き前の薬剤散布が最も有効。【関東】発生しやすい時期:3月〜5月(芽吹き期)。発生しやすい気温の目安:8〜18℃(冷涼多湿)。
対応薬剤 6件

コガネムシ科の幼虫(白いC字型の幼虫)。土中で根を食害し、鉢植え盆栽では最も深刻な被害を与える害虫の一つ。被害は根腐病に似た症状(樹勢低下、葉の黄化・落葉)を示すが、鉢から抜くと根が大部分食い尽くされているのが特徴。盆栽では全樹種に被害が出るが、特にマツ、サツキ、ブナ、ケヤキで被害が目立つ。成虫は夜間に飛来し用土に産卵するため、植え替え時に殺虫剤を混ぜる、防虫網で鉢を覆うなどの予防が有効。【関東】被害が多い時期:4月〜10月(特に春・秋に根の食害が進行)。活動気温の目安:地温15〜25℃。
対応薬剤 5件

病原菌:Botryosphaeria属・Nectria属など。幹や枝の樹皮が陰没し褐変、やがて樹皮が縦裂・剥離しながら枯死する。剪定傷や凍害の傷口から病原菌が侵入し、進行すると枝全体が枯れる。盆栽ではウメ、サクラ、カエデ、ケヤキ、ブナなど広葉樹全般に発生。剪定後の切り口保護(癒合剤塗布)と樹勢維持が予防の基本。罹病枝は早期に切除する。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月。発生しやすい気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 9件

甲虫目カミキリムシ科の害虫。幼虫(テッポウムシ)が幹や太枝の内部をトンネル状に食い荒らし、最悪の場合は樹全体を枯死させる。盆栽において最も恐れられる害虫の一つ。代表種にゴマダラカミキリ、クビアカツヤカミキリ、シロスジカミキリなど。盆栽ではカエデ、ウメ、サクラ、ブナ、ケヤキなど広葉樹全般に被害。幹表面の小さな穴から木くず(フラス)が出ているのが侵入のサイン。発見次第、針金で穴から幼虫を刺殺するか、専用殺虫剤を注入する。成虫の飛来防止には幹への薄いネット掛けも有効。【関東】成虫の飛来・産卵:6月〜8月。幼虫は通年加害。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 5件

病原菌:Sclerotium rolfsii。地際部の茎や幹が褐変腐敗し、周囲に白い絹状の菌糸が網の目状に広がる。菌糸上に菜種大の白〜褐色の球状菌核が多数形成されるのが特徴。土壌伝染性が強く、高温多湿で急速に拡大する。盆栽ではサツキ、ツツジ、キク、ボタンなどに発生。罹病植物の用土が感染源となるため再利用しないことが重要。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(高温多湿期)。発生しやすい気温の目安:25〜30℃。
対応薬剤 9件

半翅目グンバイムシ科の吸汁性害虫。主にツツジグンバイやサツキグンバイなどが盆栽で問題となる。葉裏に寄生し吸汁するため、葉の表面が白くかすれ、裏面には黒い排泄物(虫糞)が付着するのが特徴。重症化すると葉全体が白化し美観を大きく損ねる。盆栽では特にサツキ、ツツジ、シャクナゲ、キリシマに多発。予防には風通し改善と早期の薬剤散布が有効。【関東】被害が多い時期:5月〜7月(特に梅雨前後)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 9件

病原菌:Septobasidium属などの担子菌。枝幹の表面に紫褐色〜灰色の薄い膜状(膏薬状)の病斑が広がる。カイガラムシが多発する樹で特に発生しやすく、カイガラムシと共生関係にある。盆栽ではウメ、カエデ、マツ、サツキ、ツバキなどに発生。根本的な防除はカイガラムシの駆除が最優先。病斑部はブラシでこすり取ることもできる。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 5件

ハマキガ科の蛾の幼虫。葉を糸で巻いてその中で食害するため、外からの薬剤が届きにくい。巻かれた葉を開くと中に淡緑色の幼虫がいる。盆栽ではカエデ、ケヤキ、ウメ、サクラ、ボケなど広葉樹全般に発生。巻き葉を見つけたら、葉ごと切り取って幼虫を捕殺するのが最も確実。【関東】被害が多い時期:5月〜9月。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 16件

病原:各種モザイクウイルス(CMV、TMV等)。葉に濃淡のモザイク模様や萎縮が生じ、生育が停滞する。主にアブラムシやアザミウマなどの吸汁害虫が媒介する。感染樹は治療不可能で、周囲への感染拡大を防ぐために媒介害虫の防除が最重要。盆栽ではバラ、ラン、キク、ウメなどに発生。感染が疑われる樹は周囲から隔離し、汁液感染を防ぐため剪定器具の消毒を徹底する。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月(媒介虫の活動期)。発生しやすい気温の目安:15〜28℃。

カレハガ科の大型毛虫。マツ類の葉を集団で食害し、被害が大きいと樹勢が著しく低下する。毒針毛があり触れると激しい痛みを伴う皮膚炎を起こす。盆栽ではアカマツ、クロマツ、五葉松など全ての松類が対象。保護具(手袋・長袖)を着用して捕殺または薬剤散布。越冬幼虫は幹の皮下に潜むため、冬季のコモ蒸しでの捕殺も有効。【関東】被害が多い時期:4月〜6月・8月〜9月。活動気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 2件

病原:各種植物ウイルス(リンゴモザイクウイルス(ApMV)・プルナスネクロティックリングスポットウイルス(PNRSV)・キュウリモザイクウイルス(CMV)等)。葉脈に沿って黄化し、濃緑・黄緑の斑入り模様(モトル)や葉の縮み・波打ちが生じるウイルス性病害。生育が停滞し観賞価値が著しく低下する。ウイルスは一度感染すると治療不可能で、アブラムシ・コナジラミ・アザミウマ等が媒介する。盆栽ではウメ、バラ、ツバキ、モモ、ランなど広範囲の樹種で見られる。感染樹は隔離し、媒介害虫の早期防除と剪定器具の消毒(70%アルコール)が感染拡大防止の基本。接ぎ木・挿し木による汁液感染にも注意。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月(媒介虫の活動期)。発生しやすい気温の目安:18〜28℃。

軟体動物門腹足綱に属する食害性害虫。新芽や花、若葉をかじり取るように食害する。夜行性で、這った跡に粘液(キラキラ光る線)が残るのが特徴。多湿環境で特に活発に活動し、梅雨期に被害が急増する。盆栽ではウメ、サクラ、カエデ、モミジ、山野草など若い芽を出す樹種全般に被害。防除には誘引トラップ(ビールトラップ等)、燐酸第二鉄・リン酸第二鉄系の駆除剤が有効。鉢の下の湿った場所に潜むため、鉢台の清掃も重要。【関東】被害が多い時期:4月〜10月。活動気温の目安:15〜25℃(多湿で活発)。
対応薬剤 3件

病原菌:Mycosphaerella属・Phyllosticta属などの糸状菌。葉の表面に白色〜灰白色の円形〜不整形の小斑点が多数散在し、斑点の周囲が暗褐色に縁取られる。進行すると斑点が拡大・融合して葉全体が黄化し早期落葉を引き起こす。連続落葉が続くと樹勢が著しく低下する。盆栽ではモミジ、カエデ、ウメ、カキ、ケヤキ、ブナなど広葉樹全般に発生。高温多湿と風通し不良が発病を助長する。罹病落葉の清掃と風通し改善が予防の基本。梅雨明け〜盛夏の高温多湿期に胞子による二次感染が拡大しやすいため予防散布が重要。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(特に梅雨明け後の高温多湿期)。発生しやすい気温の目安:22〜28℃。
対応薬剤 7件

ミノガ科の蛾の幼虫。葉や小枝の残骸で蓑(みの)状の袋を作り、その中に潜んで葉を食害する。袋の中にいるため薬剤が届きにくい。冬季も枝に付着したまま越冬するため、通年被害が続く。盆栽ではマツ、ケヤキ、カエデ、サクラ、ウメなど幅広い樹種に発生。特にオオミノガは幼虫が大きく食害量が多い。手で袋ごと取り除くのが確実。幼虫期は浸透移行性殺虫剤が有効。【関東】被害が多い時期:4月〜6月・8月〜9月。活動気温の目安:15〜28℃。
対応薬剤 7件

病原菌:Septoria属・Cercospora属・Alternaria属など多数の糸状菌が原因となる。葉に直径2〜10mm程度の褐色〜暗褐色の円形〜不整形の斑点が多数発生する。斑点中心部は次第に灰褐色に退色し、周囲が暗褐色の縁取りになるのが典型的。雨滴の跳ね返りで胞子が飛散し二次感染が連続的に拡大する。盆栽ではカエデ、クワ、ケヤキ、バラ、モミジなど広葉樹全般に発生しやすい。下葉から発症し上位へと広がる傾向がある。罹病落葉の廃棄・過密植えの解消・マルチングによる跳ね返り防止が予防に有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(梅雨〜盛夏と秋雨期に多発)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 4件

ハモグリバエ科のハエの幼虫。葉の表皮と裏皮の間(葉肉内)をトンネル状に食害し、葉に白い線状の食痕(絵描き状)が残るのが特徴。被害葉は光合成能力が低下し、進行すると落葉する。盆栽ではカエデ、ケヤキ、ミカン類、キク、バラなどに発生。葉の中にいるため接触剤が効きにくく、浸透移行性殺虫剤が有効。被害葉の早期除去も重要。【関東】被害が多い時期:4月〜10月。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 21件

病原菌:Cercospora属・Phyllosticta属などの糸状菌。葉の縁(葉縁部)から褐変が始まり、不整形の斑点として内側へ向かって拡大していく。斑点の境界は暗褐色〜黒色に縁取られることが多い。乾燥と多湿が繰り返される環境や高温期の葉へのダメージが発病を誘引する。盆栽ではカエデ、ケヤキ、ウメ、キク、ツツジ類など広範囲の樹種に発生。窒素過多や日照不足による葉の軟弱化が発病を助長する。早期の罹病葉除去、適切な施肥管理(窒素抑制)、風通し確保が予防の基本。葉水で葉を濡らしたままにしないことも重要。【関東】発生しやすい時期:6月〜10月(特に夏〜秋の高温多湿期)。発生しやすい気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 4件

半翅目コナジラミ科の吸汁性害虫。葉裏に寄生して師管液を吸汁し、排泄物(甘露)ですす病を誘発する。成虫は白い粉状のロウ物質をまとい、触れると一斉に飛び立つのが特徴。盆栽ではツバキ、バラ、ミカン類、キクなどに発生。盆栽では風通し不良の環境で多発する。黄色粘着トラップでモニタリング・捕殺が可能。浸透移行性殺虫剤が有効。【関東】被害が多い時期:5月〜10月。活動気温の目安:25〜30℃。
対応薬剤 32件

病原菌:Rhizoctonia solani・Pythium属・Fusarium属などの土壌病原菌。茎の基部(地際部)が水浸状に変色して軟化腐敗し、株が倒伏・枯死する。過湿・過密・未熟堆肥の使用が発生を著しく助長する。盆栽では挿し木・実生苗や草花系盆栽(キク、フジバカマ等)に多発しやすく、樹木盆栽でも幼木に発生することがある。感染が進行すると回復困難なため早期発見・早期対処が重要。予防には清潔で排水性の良い用土の使用、表土の過湿回避、適切な株間の確保が基本。発病株は隣接株への感染拡大を防ぐため速やかに処分する。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(高温多湿期)。発生しやすい気温の目安:24〜30℃。
対応薬剤 3件

アザミウマ目に属する微小な吸汁性害虫。花弁や新芽、若葉の柔らかい組織を口器で吸汁し、花弁に斑点や変形、葉の銀白化を引き起こす。微小で肉眼での発見が困難。花を叩いて白い紙の上に落とすと確認できる。盆栽ではウメ、サクラ、バラ、キク、ボタンなど花きものに多発。薬剤抵抗性がつきやすいため、系統の異なる薬剤をローテーション散布する。【関東】被害が多い時期:4月〜9月。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 31件

病原菌:Pseudomonas属・Xanthomonas属などの細菌。展開したばかりの新芽が水浸状に黒変して枯死する。降雨・風雨による傷口や芽鱗の隙間から細菌が侵入し、急速に芽組織が壊死する。盆栽ではサクラ、ウメ、カエデ、ツバキ、マツなど春の芽吹き時期に多発しやすい。貴重な新梢が芽吹き直後に枯れるため被害は深刻になりやすい。予防には新梢展開期の雨除け管理と銅系殺菌剤(銅水和剤等)の予防散布が有効。剪定器具の消毒(70%アルコール)による汁液感染の防止も重要。罹病した芽はすぐに取り除き病原の拡散を防ぐ。【関東】発生しやすい時期:4月〜7月(特に梅雨前の新芽展開期)。発生しやすい気温の目安:18〜25℃の多湿条件。
対応薬剤 2件

テントウムシ科マダラテントウ属(ニジュウヤホシテントウ等)。ナナホシテントウに似るが植物を食害する。成虫・幼虫ともに葉の裏側から表皮を残して食害し、葉が絹目状に透ける。果実もかじる。盆栽ではナス科、マメ科、バラ科の花木や果樹に発生。ナナホシテントウとの見分けは、斑点の数が多い(28個)ことで判別。捕殺または殺虫剤散布で防除。【関東】被害が多い時期:4月〜9月。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 4件

病原菌:Pseudomonas syringae・P. cichorii等の細菌。罹病した枝先に水浸状の暗褐色〜黒色の壊疽斑が形成され、次第に枝が内側に向かって枯れ込む。剪定傷口や風雨による傷から細菌が侵入し、剪定後に癒合剤を塗布しないと感染リスクが高まる。盆栽ではウメ、サクラ、モモ、ゲッケイジュ、カキなどに発生。防除には清潔な剪定用具(70%アルコールで消毒)の使用、剪定後の傷口への癒合剤塗布、銅系殺菌剤の予防散布が有効。罹病枝は健全部分を数cm含めた深めの切除が必要で、切り口には必ず癒合剤を塗る。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(特に梅雨期の多湿環境で多発)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 2件

半翅目ヨコバイ科の吸汁性害虫。葉や茎から吸汁し、被害部は白っぽくかすれたようになる。跳ねて横向きに素早く移動するのが特徴。ファイトプラズマやウイルス病を媒介する種類もある。盆栽ではカエデ、ケヤキ、サクラ、ウメ、マツなど幅広い樹種に発生。浸透移行性殺虫剤での防除が有効。【関東】被害が多い時期:5月〜9月。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 22件

病原菌:Phellinus属・Ganoderma属などの木材腐朽菌(担子菌)。根の木質部(材部)が白色腐朽または褐色腐朽し、吸水・養分吸収機能が著しく低下する。老木・衰弱木・傷のある樹に特に発生しやすい。地上部では葉色が淡くなり、葉が小さくなり、枝の伸びが止まる。鉢から抜くと根全体が腐朽して脆くなっているのが確認できる。盆栽ではマツ、ケヤキ、ウメ、ブナなどの老木や長期未植え替え樹に多い。定期的な植え替えと傷口保護が予防の基本。一度腐朽が進んだ根は回復困難なため、樹勢の早期回復と土壌環境改善が重要。【関東】発生しやすい時期:通年(地温20℃以上の夏季に進行が速い)。発生しやすい気温の目安:地温20〜28℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目メイガ科・ハマキガ科等に属する蛾の幼虫の総称で、新梢や蕾の内部に穿孔して食害する害虫。代表種にナシシンクイムシ、モモシンクイムシ、リンゴコカクモンハマキ等がある。幼虫は芽の基部や蕾に小さな穴を開けて侵入し、内部を食い進むため、外見からは被害に気づきにくい。被害を受けた芽は褐変して枯死し、蕾は開花前に落下する。糞(フラス)が侵入口周辺に排出されるのが発見の手がかり。盆栽ではウメ、モモ、ナシ、リンゴ、カキなど果樹系や、ツバキ、サクラなど花を楽しむ樹種に多い。新梢の伸長期や蕾膨大期に産卵されるため、この時期の注意深い観察が重要。被害芽・被害蕾は見つけ次第切除する。浸透移行性殺虫剤(アセタミプリド等)の散布が有効。BT剤も幼虫の食入前なら効果がある。【関東】被害が多い時期:4月〜6月・8月〜9月(年2〜3世代発生)。活動気温の目安:15〜28℃。
対応薬剤 9件

病原菌:Sclerotium rolfsii・Rhizoctonia solani・Pythium属など複数の土壌病原菌が関与する。地際部から株全体が侵され、茎基部が水浸状・褐色に変色して軟化腐敗し、株全体が急速にしおれる。用土の過湿・連作・未熟有機物の使用が発病を促進する。盆栽ではサツキ、ツバキ、キク、ボタン等幅広い樹種に発生する。高温期の過湿が最大のリスク要因。予防には清潔な用土の使用・適切な排水管理が重要で、発病株・発症用土は速やかに処分し隣接株への感染拡大を防ぐ。発病初期の茎基部の褐変に気づいたら即処置する。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(特に盛夏の高温多湿期)。発生しやすい気温の目安:25〜30℃。
対応薬剤 4件

甲虫目カミキリムシ科に属する小型のカミキリムシ。成虫は体長6〜10mmで黒褐色、触角が体長と同程度かやや長い。成虫が茎の上部に環状の傷をつけて産卵し、孵化した幼虫が茎の内部(髄部)をトンネル状に食い進む。被害を受けた茎は産卵部より上が萎れて枯死する。盆栽ではキク、ヨモギ、ダリアなどキク科植物やマメ科の草花系盆栽に多発。樹木盆栽で直接の被害は少ないが、棚下の雑草が繁殖源になるため注意が必要。初期発見は茎の途中が急にしおれること。産卵痕(茎の周囲に咬み跡の環)を見つけたら、その下を含めて茎を切除する。成虫の飛来期に殺虫剤(カルバリル等)を散布するのも有効。棚場周囲のキク科雑草の除去が根本的な予防策。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(成虫は5〜7月に出現)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Fusarium oxysporum(フザリウム・オキシスポラム)各種分化型。根から侵入した菌が導管内で増殖し、維管束を詰まらせることで水分・養分の供給が途絶えて萎凋枯死する土壌伝染性病害。罹病部の導管を縦に切ると内部が褐変しているのが確認できる。病原菌は土壌中で菌核として長期(数年〜10年以上)生存し根絶が困難。盆栽ではバラ、アジサイ、クレマチスなどで発生。予防には清潔な用土の使用と感染樹の用土再利用禁止が基本。高温乾燥ストレスを避け、樹勢を維持することで発病リスクを低減できる。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月(高温期に急激に進行)。発生しやすい気温の目安:25〜30℃(地温が高いほど進行が速い)。
対応薬剤 1件

半翅目コナジラミ科に属する微小な吸汁性害虫。体長約1〜1.5mmで、成虫は白い蝋粉をまとった微小な蛾のような外見。葉裏に静止していて、葉を揺すると白い小さな虫が一斉に飛び立つのが特徴。葉裏に産卵し、幼虫・蛹・成虫のすべてのステージが葉裏に寄生して師管液を吸汁する。排泄物(甘露)がすす病の原因となり、葉が黒く汚れて光合成を阻害する。盆栽ではツバキ、バラ、ミカン類、キク、フジなどに発生。特に室内管理や温室管理の樹で大発生しやすい。繁殖サイクルが短く(約3週間で1世代)、短期間で爆発的に増殖する。黄色粘着トラップでモニタリングと捕殺が可能。薬剤はネオニコチノイド系(アセタミプリド・ジノテフラン等)の浸透移行性殺虫剤が有効。卵〜蛹には薬剤が効きにくいため、7〜10日間隔で複数回散布が必要。【関東】被害が多い時期:5月〜11月(温室では通年)。活動気温の目安:20〜30℃(15℃以下で活動低下)。
対応薬剤 12件

病原菌:Fusarium oxysporum(フザリウム・オキシスポラム)。土壌中の菌が根から侵入し導管内で増殖、維管束を閉塞して水分・養分の供給を遮断する。葉が黄化・しおれ、進行すると樹全体が枯死する。盆栽ではカエデ、ケヤキ、ウメ、サクラなど広葉樹全般に発生する可能性がある。清潔な用土と適切な灌水管理による樹勢維持が予防の基本。【関東】発生しやすい時期:6月〜10月(高温期)。発生しやすい気温の目安:24〜30℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目ヤガ科(カブラヤガ・タマナヤガ等)の幼虫の総称。夜行性で、日中は土中に潜み、夜間に這い出して苗や若い植物の地際部を食い切る。被害は朝になると苗が地際から倒れているのが発見される。老齢幼虫は体長30〜45mmの灰褐色〜暗褐色のいも虫で、触ると丸まる性質がある。盆栽では実生苗、挿し木苗、草花系盆栽(キク、ナデシコ等)に被害が多い。樹木盆栽でも幼木の幹基部を食害されることがある。土を掘ると被害株の近くに幼虫が潜んでいるので、手で捕殺できる。鉢の表土をほぐして日光に当てると、幼虫が露出して鳥に捕食されやすくなる。薬剤防除にはダイアジノン粒剤等の土壌施用が有効。誘殺剤(フェロモントラップ)で成虫の飛来を監視し、産卵を防ぐ方法もある。【関東】被害が多い時期:4月〜7月・9月(春秋の苗の生育期に多発)。活動気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 5件

病原菌:Verticillium dahliae(バーティシリウム・ダリエ)。土壌伝染性の維管束病害で、樹体の片側の枝葉のみが萎凋・黄化する「片側性萎凋」が特徴的な症状。Fusarium萎凋病と異なり、導管の褐変が不明瞭な場合がある。比較的冷涼な環境で発生しやすい。盆栽ではカエデ、モミジ等に発生する可能性がある。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月。発生しやすい気温の目安:20〜25℃。

病原菌:Alternaria属・Cercospora属などの糸状菌が関与するほか、強光・高温・乾燥による生理障害が誘引となるケースも多い。葉先や葉縁が褐変して枯死し、進行すると葉全体が焼けたように変色する。病害と生理障害が複合的に作用すると急速に進行する。盆栽ではモミジ、カエデ、ケヤキ、ブナなど繊細な葉を持つ広葉樹に多発。特に西日が強く当たる場所や、夏季に灌水が不足しやすい環境で発生リスクが高まる。初期症状は葉の縁がうっすら褐変し始めること。予防には適切な遮光(寒冷紗等)、十分な灌水、風通しの確保が有効。罹病葉は除去し、樹勢回復のための施肥管理を行う。【関東】発生しやすい時期:7月〜9月(特に梅雨明け〜盛夏の猛暑期)。発生しやすい気温の目安:28〜35℃。
対応薬剤 3件

半翅目カメムシ亜目に属する吸汁性害虫の総称。代表種にチャバネアオカメムシ、クサギカメムシ、マルカメムシ等がある。成虫は体長10〜20mmで、口器(口吻)を果実や新梢に刺し込んで吸汁する。吸汁痕が果実や葉に褐変・褐変として残り、重症では落果や生育不良を引き起こす。飛翔能力が高く、周辺の雑木果樹園から飛来して加害するため、完全な防除が難しい。盆栽ではカキ、ウメ、ナシ、ブドウ、リンゴなど果樹系や、ボタン、バラなど花きものに被害が出る。また、危険を感じると悪臭を放つため、素手での捕殺には手袋が推奨。ペットボトルでの捕獲が効果的。薬剤防除はピレスロイド系やネオニコチノイド系が有効だが、飛来が続くため予防散布の継続が必要。【関東】被害が多い時期:6月〜10月(特に果実肥大期〜成熟期)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 16件

病原菌:Capnodium属・Antennariella属などのすす病菌。葉面に黒い煤状の不整形斑点が広がり、光合成を阻害する。病原菌自体が植物組織に直接侵入するわけではなく、アブラムシ・カイガラムシ・コナジラミなど吸汁害虫が排泄する甘露を栄養源として繁殖する。盆栽ではウメ、カエデ、ケヤキ、マツ、モチノキなど広く発生。根本的な解決策は原因となる吸汁害虫の防除で、害虫防除後はすすが自然に消失することが多い。すすは濡れた布でふき取ることもできる。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(吸汁害虫の活動期に伴う)。発生しやすい気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 3件

ドクガ科の蛾の幼虫。ツバキ・サザンカ類の葉を集団で食害し、大発生すると葉を食い尽くして樹を枯らしてしまう。全身に毒針毛を持ち、触れると強いかゆみ・発赤を伴う皮膚炎を起こす。毒針毛は風でも飛散するため、近くにいるだけで被害を受けることがある。盆栽では椿(ツバキ)、サザンカ、チャノキなどツバキ科に特異的に発生。年に2回発生(5〜6月と8〜9月)。若齢幼虫は集団でいるため、葉ごと切り取って処分するのが最も安全。必ず保護具を着用し、素手で触れないこと。【関東】被害が多い時期:5月〜6月・8月〜9月(年二化)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 7件

※「赤焼病」は標準病名としてはチャ赤焼病(Pseudomonas syringae pv. theae、細菌性)や芝草赤焼病(Pythium、卵菌)を指す。盆栽のマツやカエデでの「赤焼け」は主に寒暖差・凍害・乾燥ストレスによる生理障害。葉や枝が赤褐色に焼けたように枯れる。特に寒暖差の大きい時期や乾燥ストレスがかかった樹に発生しやすい。盆栽ではマツ(特に五葉松)、モミジ、カエデなど気温変化に敏感な樹種で発生事例が多い。冬季の急激な温度低下後に葉や枝が赤変しているのが早期発見の目安。防止策は耐寒性の高い樹の選択と、適切な冬季保護(こもかけ等)が基本。乾燥を防ぐ適切な灌水も重要。【関東】発生しやすい時期:4月〜6月・10月(寒暖差の大きい時期)。発生しやすい気温の目安:急激な気温変動時(10℃以下)。
対応薬剤 4件

線虫動物門ネコブセンチュウ属(Meloidogyne属)に属する微小な土壌害虫。体長は0.4〜1.0mmで肌眼ではほぼ見えない。根に侵入して細胞の異常肥大を引き起こし、紡錘形〜球形のこぶ(虫こぶ)を形成する。こぶができると根の吸水・吸肥機能が低下し、地上部では葉が萎れて生育が停滞する。盆栽では植え替え時に根のこぶを確認することで発見できる。全樹種に感染の可能性があるが、特にバラ、キク、ボタン、ウメ、マツなどで被害報告が多い。土壌燻蒸(太陽熱消毒)や清潔な用土の使用が予防の基本。感染樹の用土は再利用しない。植え替え時に根のこぶを切除し、新しい清潔な用土に植え替える。【関東】被害が多い時期:5月〜10月(地温が高い時期に活動が活発)。活動気温の目安:地温20〜30℃。
対応薬剤 2件

病原菌:Nectria属・Botryosphaeria属などの糸状菌や、Agrobacterium属(細菌)による場合もある。枝が紡錘形〜球形に異常肥大し、表面に亀裂が生じる。肥大部の樹皮は粗くなり、内部組織が変色・壊死していることが多い。病斑部の亀裂から水分が浸入し、二次的な腐朽菌の侵入を招きやすい。盆栽ではウメ、サクラ、カエデ、ケヤキ、ボケなど広葉樹全般に発生。剪定傷や凍害による傷口から病原菌が侵入することが主な感染経路。予防には剪定後の癒合剤塗布、樹勢の維持管理が重要。発見次第、肥大した枝を健全部まで切り戻し、切り口を保護する。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(傷口からの感染は通年)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

病原:各種モザイクウイルス・黄化ファイトプラズマ・栄養元素欠乏(鉄・マンガン等)など原因が多様。葉に淡黄〜白色の斑が不規則に生じる病害。ウイルス性の場合は健全枝との境界線が不明瞭で、罹病部と正常部が混在する。栄養元素欠乏の場合は用土検査や葉の分析で推定できる。盆栽ではカエデ、ウメ、サツキ、ツバキ等幅広い樹種に発生する。ウイルス性病害の場合は感染樹を隣接樹から隔離しアブラムシ等媒介害虫を防除する。栄養元素欠乏の場合は適切な元肥・追肥で改善できる。【関東】発生しやすい時期:4月〜9月。発生しやすい気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 4件

病原菌:Elsinoe属・Mycosphaerella属などの糸状菌。葉に白色〜灰白色の円形小斑点が形成される。進行すると斑点中心部が硬化・脱落して穴あき(穿孔)になることがある。雨滴経由で胞子が飛散し二次感染が広がる。盆栽ではカエデ、ケヤキ、アジサイ、サクラなど広葉樹全般に発生する。梅雨期の多湿環境で胞子飛散が活発化する。罹病葉の早期除去と風通し改善が予防の基本。保護殺菌剤の予防散布も有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 4件

病原菌:Pseudomonas属・Xanthomonas属などの細菌。葉に直径2〜8mmの褐色〜暗褐色の水浸状斑点が形成され、周囲に黄色いハロー(輪状の変色帯)を伴うことが多い。多湿・降雨条件で雨滴の跳ね返りにより急速に二次感染が拡大する。糸状菌性の褐斑病との違いは、病斑が水浸状で光にかざすと透けて見えること。盆栽ではケヤキ、カエデ、ウメ、サクラ、ツバキなど広葉樹全般に発生。予防には風通しの確保、雨除け管理、銅系殺菌剤(ボルドー液等)の予防散布が有効。剪定器具の消毒(70%アルコール)で汁液感染を防ぐことも重要。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(特に梅雨期〜秋雨期の多湿環境)。発生しやすい気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 2件

病原菌:Botrytis cinerea(灰色かび病菌)・Pythium属・Phytophthora属など複数の病原菌が関与する。葉が褐変・軟化して腐敗し、多湿条件下で急速に拡大する。盆栽ではツバキ、サクラ、ウメ、ラン、バラなど花弁の薄い樹種に発症しやすい。花・花がら・小枝の付き根元から感染するケースが多い。灰色ビロード状のカビが見られる場合は灰色かび病と判別できる。予防には風通しの改善、花がら・枯れ葉の清掃、罹病した葉を見つけたら速やかに切り取ることが基本。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月(盛夏の多湿期)。発生しやすい気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

甲虫目コガネムシ科に属する小型のコガネムシ(Popillia japonica)。成虫は体長8〜12mmで、前胸背板と上翅が金緑色の金属光沢を持ち、腹部両側に白い毛の斑点が並ぶのが特徴。成虫は集団で葉肉をそぎ取るように不規則に食害し、葉の網目状の食害痕(スケルトン化)が特徴的。特に花・芽・柔らかい葉を好む。被害が大きいと短期間で樹が著しく衰弱する。幼虫はC字型の白色で、土中30〜15cmに生息し細根〜太根を食害する。鉢内の根を食い尽くすと樹が突然萎れ枯死することがある。盆栽ではブドウ(ビテックス属含む)、薔薇(バラ)、柿(カキ)、桜(サクラ)、梅(ウメ)、桃(モモ)、サルスベリ、クリなど多くの広葉樹・果樹に被害が出る。成虫への対策は早朝(活動前)に手で捕殺するか、フェロモントラップで誘引捕殺する。スミチオン乳剤・カルバリル粉剤等の薬剤散布も有効。幼虫対策には植え替え時に粒剤(ダイアジノン等)を混用するか、鉢底・排水口からの産卵侵入を目の細かい網で防ぐ。成虫を多数捕殺しても周囲から飛来するため、継続的な管理が必要。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫の発生・飛来最盛期)。活動気温の目安:20〜30℃(25℃前後で活動が最も活発)。
対応薬剤 3件

病原菌:Ganoderma属・Phellinus属などの木材腐朽菌やPhytophthora属等の病原菌。幹内部が段階的に腐朽して空洞化する。地上部では葉色が淡くなり、枝の伸びが不良になる。幹の傷口や剪定後の未癒合面から侵入することが多い。盆栽では老木・大樹のウメ、サクラ、ケヤキ、オリーブなどに発生。幹の内部が鈍い空洞音がする場合や、キノコが幹元に生えている場合は腐朽のサイン。剪定後の切り口への癒合剤塗布と樹勢維持が予防の基本。【関東】発生しやすい時期:通年(5月〜10月に進行しやすい)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 2件

鱗翅目ヤガ科の広食性の夜蛾の幼虫。幼虫は体長35〜45mmで、緑色〜暗褐色の花柄のあるいも虫。若齢幼虫は集団で葉裏に集まり、葉肉を食害して葉が白っぽく透けるようになる(窓葉食い)。成長すると分散し、葉脈を残して葉を食い尽くす。広食性が非常に強く、100科以上の植物を加害する。盆栽ではカエデ、ケヤキ、ウメ、バラ、キク、サツキなど全樹種に被害の可能性がある。若齢幼虫が集団でいるうちが防除の好機で、葉ごと切り取って処分する。BT剤やエマメクチン安息香酸塩が効果的。老齢幼虫は薬剤が効きにくい。【関東】被害が多い時期:6月〜10月(特に8〜9月に被害が激化)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 11件

病原菌:Ralstonia solanacearum species complex(青枯病菌群)。日本の菌株の大半はR. pseudosolanacearum(Phylotype I)に再分類されている(Safni et al., 2014)。導管内で細菌が大量増殖し、粘液で導管を詰まらせるため、葉が青いまま急速に萎凋枯死するのが特徴。高温期に症状が急速に進行し、数日で枯死することもある。盆栽ではナス科、マメ科など草花盆栽で発生しやすいが、樹木でも発生例がある。予防には清潔な用土の使用と過湿回避が重要。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月(高温期)。発生しやすい気温の目安:25〜35℃。

鱗翅目ヤガ科の夜蛾の幼虫。幼虫は体長30〜40mmで、淡緑色〜褐色。葉裏から表皮を残して葉肉を食害し(窓葉食い)、進行すると葉脈を残して食い尽くす。若齢幼虫は集団でおり、袋状の網を作ってその中で食害することがある。広食性が非常に強く、盆栽ではカエデ、ケヤキ、ウメ、バラ、キク、サツキなど幅広い樹種に被害がある。若齢幼虫の集団時に葉ごと切り取るのが最も効果的。BT剤やエマメクチン安息香酸塩が有効。薬剤抗性がつきやすいため、系統の異なる薬剤をローテーション散布する。【関東】被害が多い時期:6月〜10月(特に秋口の8〜10月に被害が激化)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 6件

病原菌:Pectobacterium carotovorum(旧名Erwinia carotovora)等の軟腐病菌(細菌)。組織が水浸状に軟化・腐敗し、強い悪臭を放つのが特徴。傷口・不適切な剪定・虫害による傷から細菌が侵入する。盆栽ではキク、アイリス、ホウセンカなど草花系盆栽やランなどの球根・塊根に多いが、樹木盆栽でも発生する。進行が非常に速く数日で株全体が腐敗することもある。剪定器具の清潔と傷口保護、過湿回避が予防の基本。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月(高温多湿期)。発生しやすい気温の目安:25〜32℃。
対応薬剤 2件

半翅目カイガラムシ上科コナカイガラムシ科に属する吸汁性害虫。体長2〜5mmで、白い粉状のロウ物質の綿毛で体を覆うのが特徴。枝の付け根、葉裏、果実のくぼみなど隠れた場所に寄生し、植物の師管液を吸汁する。排泄物(甘露)ですす病を誘発し、葉が黒く汚れて光合成を阻害する。重症化すると樹勢が著しく低下する。盆栽ではラン、バラ、ツバキ、ミカン類、サツキ、モチノキなど幅広い樹種に発生。特に風通しが悪く過密な環境で多発する。ロウ物質の被覆のため薬剤が届きにくく、浸透移行性殺虫剤(アセタミプリド・ジノテフラン等)が有効。綿状の白い塊を見つけたら初期のうちに取り除く。綿棒でこすり取ることも有効。【関東】被害が多い時期:5月〜10月(特に高温多湿期)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 18件

病原菌:Xanthomonas campestris(細菌性)やAlternaria属・Botryosphaeria属(糸状菌性)など原因菌が多様。葉や果実が黒褐色に変色し、水浸状に軟化して急速に腐敗する。細菌性の場合は病斑周囲に黄色のハローが見られ、糸状菌性の場合は病斑上に黒い小斑点(柄子殻)が形成されることがある。高温多湿環境で急速に蔓延し、降雨による飛沫感染で周囲に拡大する。盆栽ではカキ、ウメ、ブドウ、ナシなど果樹系やキャベツ・ダイコンなどアブラナ科にも発生。予防には罹病部の早期除去、風通しの改善、排水性の確保が基本。銅系殺菌剤の予防散布も有効。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月(特に梅雨〜盛夏の高温多湿期)。発生しやすい気温の目安:24〜30℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目ヒトリガ科の蛾の幼虫。幼虫は体長30〜50mmの毛虫状で、黒褐色の体に長い毛束が密生する。広食性が強く、葉を食害する。若齢幼虫は集団で葉裏に集まり、葉脈だけ残すように食害する(透かし食い)。成長すると分散して単独で葉を食い尽くす。盆栽ではクワ、ケヤキ、カエデ、サクラ、ウメ、バラなど幅広い樹種に発生。若齢幼虫の集団時に葉ごと切り取って処分するのが最も効果的。BT剤や接触性殺虫剤での防除も有効。毛虫だが毒針毛は持たないため人体への被害は少ない。【関東】被害が多い時期:5月〜7月・9月(年数世代発生)。活動気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 4件

病原:各種植物ウイルス(アルファルファモザイクウイルス・トマト黄化葉巻ウイルス等)によるウイルス性病害。葉が内側に巻き上がり黄化する非常に目立つ症状が生じる。アブラムシ・コナジラミ等の吸汁害虫が媒介する。感染すると治療不可能で、媒介害虫の防除と感染樹の隔離が最優先事項。盆栽ではウメ、モモ、バラ、ランなど幅広い樹種で発生事例がある。剪定器具の消毒による汁液感染防止も必須。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月(媒介虫の活動期)。発生しやすい気温の目安:18〜28℃。

鱗翅目イラガ科の蛾の幼虫。幼虫は体長20〜25mmの鮮やかな黄緑色で、体表にたくさんの刺毛(棘)を持つ。この刺毛に触れると電気が走ったような激しい痛みを伴う皮膚炎を起こす。痛みは数日間続くことがある。葉を表皮を残して葉肉を食害し、被害葉は白く透ける。盆栽ではケヤキ、カエデ、サクラ、ウメ、カキ、ブナなど広葉樹全般に発生。特に人への被害が深刻なため、必ず保護具(厚手の手袋・長袖)を着用して防除する。幼虫を見つけたら葉ごと切り取って処分。抜け殻になった後も毒棘が葉に残るため注意。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(特に盛夏に多発)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 4件

病原:トマト輪点ウイルス(ToRSV)・Alternaria属などウイルスまたは糸状菌。葉面に同心円状の輪状斑点が形成される。かんきつ黒点病と症状が似るが、輪点病は輪状の同心円斑点の繰り返しで識別できる。雨滴の跳ね返り経由で二次感染が広がる。盆栽ではカキ、ビワ、モモ、ウメなど果樹系に発生。罹病葉の清掃と多湿期の予防散布が防除対策の基本。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。

甲虫目カミキリムシ科に属する重要害虫。成虫は体長18〜30mmで、褐色の体に白い斑紋(まだら模様)がある。マツノザイセンチュウ(マツ材線虫病の病原体)を媒介する最も重要な害虫。成虫が健全なマツの若枝をかじる(後食)際に、体内の線虫が傷口からマツに侵入する。感染したマツは数週間〜数ヶ月で枯死する。盆栽ではアカマツ、クロマツ、五葉松など全ての松類が対象。幼虫は弱ったマツの材内に穿孔し食害する。予防には成虫の飛来期(6〜8月)に幹への殺虫剤散布(ネオニコチノイド系等)が最重要。被害木の早期伐採・焼却が感染拡大防止に有効。幹に細かい木くず(フラス)が出ている場合は幼虫が侵入しているサイン。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(成虫の発生・飛来は6〜8月)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 3件

病原:各種モザイクウイルス・ファイトプラズマ(てんぐ巣病等)・微量元素欠乏(鉄・マンガン等、高pH土壌で発生しやすい)など原因が多様。葉全体が黄化し生育が止まる。ウイルス性の場合は上位葉・下位葉に不規則に症状が現れることがある。ファイトプラズマ性の場合は葉脈に沿った黄化パターンが特徴的。栄養障害は用土検査や葉の分析で原因特定できる。盆栽ではカエデ、マツ、サツキ、ランなど幅広い樹種に発生。原因に応じた適切な対処(媒介虫防除・用土改善・施肥管理)が最重要。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月。発生しやすい気温の目安:18〜28℃。

アザミウマ目アザミウマ科に属する微小な吸汁性害虫。体長約1.0〜1.5mmで、黄色の細長い体形をしている。口器で花弁や新芽、若葉の柔らかい組織を吸汁し、花弁の褐変・変形、葉の銀白色化(シルバーリング)、果実表面のサビ症状を引き起こす。微小なため肉眼での発見が困難で、花を白い紙の上で叩くと落下するので確認できる。盆栽ではバラ、キク、ウメ、サクラ、ツバキ、ボタンなど花きものに特に被害が大きい。薬剤抵抗性がつきやすいのが最大の問題点で、同一系統の薬剤を連続使用すると効果が急速に低下する。スピノサド、アセタミプリド、エマメクチン安息香酸塩など系統の異なる薬剤を3〜4種類ローテーション散布することが推奨。青色粘着トラップでモニタリングが可能。【関東】被害が多い時期:4月〜10月(特に開花期に被害が集中)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 7件

病原:ファイトプラズマ(ウイルスと細菌の中間的存在)またはFusarium属等の土壌病原菌。葉の黄化と萎縮を伴う症状が現れる。維管束系の障害で発生しやすい。盆栽ではサクラ、ウメ、カエデ、ブナなど広葉樹に発生の可能性がある。原因がファイトプラズマの場合は媒介害虫(ヨコバイ・ウンカ類等)の防除が最優先。土壌病原菌の場合は用土改善と清潔な用土の使用が基本。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月。発生しやすい気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 1件

半翅目ヨコバイ科に属する小型の吸汁性害虫。体長2〜3mmで、葉裏に寄生して植物の細胞内容物を吸汁する。被害葉は黄白色に退色し、光にかざすと細かい白い点が散在して見える。葉の汁を吸いながら素早く横向きに移動するのが特徴。一部の種類はファイトプラズマやウイルス病を媒介することがあり、吸汁被害以上に注意が必要。盆栽ではカエデ、ケヤキ、サクラ、ウメ、マツなど幅広い樹種に発生。浸透移行性殺虫剤(アセタミプリド・ジノテフラン等)での防除が有効。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(特に梅雨前後)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 8件

病原菌:Rhizoctonia solani(リゾクトニア・ソラニ)。葉や茎の基部から雲紋状(波紋のような同心円状)の灰褐色〜褐色病斑が広がり、急速に上位に進展して枝葉を枯死させる。病斑上に褐色〜暗褐色の小さな菌核が形成されるのが特徴。多湿・高温環境で病斑が急速に拡大し、数日で大きな被害となることもある。盆栽では笹(ササ)、芝(シバ)、キク、ススキなどイネ科・キク科の草花系盆栽に多い。木本盆栽でも根元から発生する場合がある。予防には風通しの確保・株間の過密解消・過湿回避が有効。発病後はバリダマイシン系やフルトラニル系の殺菌剤で防除。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月(高温多湿期に急増)。発生しやすい気温の目安:24〜30℃。
対応薬剤 5件

鱗翅目スズメガ科の大型の蛾の幼虫。幼虫は体長50〜80mmと非常に大きく、緑色〜褐色で尾端に特徴的な角状の突起(尾角)を持つ。成長が非常に早く、短期間で葉を大量に食害する。一晩で葉が数枚食い尽くされることもあるため、発見が遅れると被害が深刻化する。盆栽ではヤブガラシ、ノブドウ、サトイモ、ホウセンカなどの葉を食害。樹木盆栽ではブドウなどブドウ科植物に被害が出ることがある。大型なため目視での発見・捕殺が容易。手でつかんで捕殺するのが最も確実。BT剤は若齢幼虫には効果があるが、老齢幼虫には効きにくい。【関東】被害が多い時期:7月〜9月(特に盛夏に被害が集中)。活動気温の目安:23〜30℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Alternaria属(アルタナリア)の糸状菌が主因。葉に直径3〜15mmの黒褐色の円形〜不整形病斑が形成され、同心円状の輪紋を伴うことが多い。進行すると病斑が拡大・融合し、早期落葉を招いて樹勢が低下する。気孔や傷口から胞子が侵入し、雨滴の跳ね返りで二次感染が拡大する。盆栽ではカキ、ナシ、リンゴ、ウメなど果樹系やバラ・キクなど花き類に多発。窒素過多の施肥は軟弱な葉を生みやすく発病を助長する。罹病落葉の清掃、風通しの改善、バランスの取れた施肥管理が予防の基本。保護殺菌剤の予防散布も有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(特に梅雨期〜盛夏に多発)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

半翅目コナジラミ科に属する微小な吸汁性害虫。体長約1.0〜1.5mmで、白いロウ粉をまとった微小な蛾のような外見。オンシツコナジラミに似るが、翅を屋根型に畳む点で区別できる。葉裏に寄生して師管液を吸汁し、排泄物(甘露)がすす病の原因となる。最大の問題は各種ウイルス病(トマト黄化葉巻病ウイルス・TYLCV等)を媒介することで、吸汁被害以上にウイルス伝播が深刻な被害をもたらす。薬剤抵抗性がつきやすく、特にネオニコチノイド系への抵抗性を獲得した系統(バイオタイプQ)が問題化している。盆栽ではツバキ、バラ、ミカン類、キク、トマトなどに発生。浸透移行性殺虫剤を系統別にローテーション散布し、黄色粘着トラップでモニタリング・捕殺を併用する。【関東】被害が多い時期:5月〜11月(温室では通年発生)。活動気温の目安:22〜30℃(高温ほど増殖が速い)。
対応薬剤 11件

病原菌:Phomopsis属・Diaporthe属などの糸状菌やPseudomonas属(細菌性)など多数の病原体。展開前〜展開直後の新芽が褐変・枯死する。糸状菌性の場合は芽の基部に暗褐色の壊死病斑が形成され、細菌性の場合は水浸状に黒変する。春先の冷涼多湿期に多発し、芽吹き期の雨天が続くと急激に被害が拡大する。盆栽ではウメ、サクラ、カエデ、マツ、ツバキなど花芽・葉芽の展開時に被害を受けやすい樹種に多発。貴重な新梢が失われるため観賞価値への影響が大きい。予防には芽吹き前〜展開初期の保護殺菌剤散布、雨除け管理が有効。罹病芽は速やかに除去し病原の拡散を防ぐ。【関東】発生しやすい時期:4月〜7月(特に芽吹き〜新梢展開期)。発生しやすい気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 3件

甲虫目カミキリムシ科の外来種。成虫は体長20〜40mmで、全体が黒色の光沢(ツヤ)があり、首(前胸部)が赤色なのが特徴。幼虫が幹内部を広範囲に穿孔して食害し、大量のフラス(木くずと糞の混合物)が幹表面から大量に排出されるのが特徴的。樹勢が急速に低下し、数年以内に枯死することがある。特定外来生物に指定されており、発見時は行政への報告が求められる。盆栽ではサクラ、モモ、ウメ、カキなどバラ科の樹種が主な対象。成虫の飛来期に殺虫剤散布が有効。幹にフラスが出ていたら幼虫侵入のサイン。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫の発生期)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 4件

※根頭癌腫病(kontou-ganshu-byo)に統合済み。病原菌:Agrobacterium tumefaciens(2020年にA. tumefaciensが正名として再確立)。細菌が植物の傷口から侵入し、植物細胞のDNAに自らのT-DNA(転移DNA)を組み込んで不正な細胞分裂を引き起こし、根や地際部にこぶ状の腫瘍(ゴール)を形成する。根頭癌腫病と類似した病態だが、根癌病はより広範な部位に発生し得る。盆栽ではバラ、ウメ、サクラ、ブドウ、リンゴなど多数の樹種に感染。接ぎ木苗の導入時に感染樹を持ち込まないことが第一の予防策。こぶが小さいうちに切除し、切り口を消毒して癒合剤を塗布する。感染した用土は再利用しない。【関東】発生しやすい時期:地温が上がる4月〜10月(傷口から侵入)。発生しやすい気温の目安:地温15℃以上。

鱗翅目ヒトリガ科の外来種の蛾の幼虫。幼虫は体長25〜30mmで、淡黄色〜淡褐色の毛虫。絹糸状の網を張ってその中に集団で寄生し、葉を食害するのが特徴的。網状の巣が枝先に張られているので発見は容易。発生密度が高いと樹全体が丸坊主になることがある。盆栽ではサクラ、クワ、ケヤキ、カエデ、プラタナス、ヤナギなど300種以上の広葉樹に被害。網状の巣を見つけたら、幼虫が分散する前に枝ごと切り取って処分するのが最も効果的。BT剤やエマメクチン安息香酸塩での防除も有効。毒針毛は持たない。【関東】被害が多い時期:5月〜6月・8月〜9月(年二化)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Helicobasidium mompa。根に紫褐色の菌糸が絡みつき、根腐れを起こす土壌病害。白紋羽病に似るが菌糸の色が紫褐色である点で判別できる。根が侵され吸水機能が低下すると地上部の葉が黄化・落葉し、最終的に枯死する。盆栽ではリンゴ、ナシ、ウメ、ブドウなど果樹系やケヤキ、カエデに発生。感染樹の用土は再利用しないことが鉄則。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月。発生しやすい気温の目安:地温18〜26℃。
対応薬剤 2件

甲虫目コガネムシ科に属する中型のコガネムシ。成虫は体長17〜24mmで、銅色の金属光沢がある体色が名前の由来。成虫は夜行性で、夕方〜夜間に飛来して葉を不規則に食害し、穴だらけにする。灯火に誘引されやすく、夜間に照明がある棚場では被害が増える。幼虫は白いC字型のいも虫で、土中(鉢土内)で根を加害する。芝地や鉢土での幼虫被害が特に目立ち、根を食い尽くされると水やりをしても葉がしおれるようになる。盆栽ではカエデ、ケヤキ、サクラ、ウメ、バラなど広葉樹全般に被害。成虫の飛来防止には棚場の消灯や防虫ネットが有効。幼虫の根の食害防止には植え替え時にダイアジノン粒剤等の土壌殺虫剤を混ぜる。鉢から抜いた際に白い幼虫がいたら手で捕殺する。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫の発生最盛期)。幼虫は秋〜翌春に根を加害。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Rosellinia necatrixの近縁種であるRosellinia属またはXylaria属などの子嚢菌。根の表面に黒色の菌糸膜が形成され、根を包み込んで吸水能力を低下させる。白紋羽病と同様の土壌病害だが、菌糸の色が黒色である点で判別できる。地上部では葉が黄化し葉が小さくなり、枝の伸びが悪くなる。進行すると樹全体が枯死する。盆栽ではリンゴ、ナシ、ウメ、ブドウ、ケヤキなど果樹系や広葉樹に発生。感染樹の用土は再利用しないことが鉄則。予防には定期的な植え替えと根の確認、排水性の良い用土の使用が重要。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(地温が高い時期)。発生しやすい気温の目安:地温20〜28℃。
対応薬剤 2件

アザミウマ目アザミウマ科に属する微小な吸汁性害虫。体長約1.0〜1.3mmで、黄褐色の細長い体形。新芽や果実表面を口器で吸汁し、果実の褐変やサビ症状(表面がザラザラになる)を引き起こす。葉や新梢の吸汁により、葉の変形や褐変も生じる。盆栽ではチャノキ、ツバキ、ミカン類、カキ、ブドウなど果樹系や花きものに多発。薬剤抗性がつきやすいため、スピノサド、アセタミプリドなど系統の異なる薬剤をローテーション散布することが重要。【関東】被害が多い時期:5月〜10月(特に新梢伸長期と果実肥大期)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 7件

病原菌:Phellinus属・Ganoderma属・Trametes属などの木材腐朽菌(担子菌)。幹の中心部(心材)が段階的に腐朽し空洞化する。外見からは判別が困難な場合が多く、幹を叩いた際に空洞音がする場合や、幹の基部にキノコ(サルノコシカケ等)が発生している場合は腐朽のサイン。老木や傷口のある樹、剪定後の癒合不良部から感染しやすい。盆栽ではマツ、ケヤキ、ウメ、ブナ、モミジなどの老木や長期未植え替え樹に発生。一度腐朽が進行すると回復困難。予防には剪定後の切り口への癒合剤塗布、樹勢の維持、傷口の保護が最重要。【関東】発生しやすい時期:通年(温暖期に腐朽が進行)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 2件

膜翅目ハバチ科の蜂の幼虫。幼虫は体長12〜18mmで、黒色で光沢がある。「カブラハバチの幼虫」は俗に「ナノクロムシ」とも呼ばれる。葉を葉脈を残して食害するのが特徴。若苗に大発生すると短期間で葉が食い尽くされることがある。盆栽では主にアブラナ科(ワサビ、ナズナ等)の草花系盆栽に被害が多い。樹木盆栽では直接の被害は少ない。手で捕殺するか、BT剤や接触性殺虫剤で防除。【関東】被害が多い時期:4月〜6月・9月〜10月(春秋の繁殖期)。活動気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Nectria属・Cytospora属・Botryosphaeria属などの糸状菌。枝や幹の樹皮が陰没して褐変し、やがて樹皮が縦裂・剥離して枯れ込む。潰瘍部の周囲から樹皮が盛り上がり、健全部との境界が明確になる。剪定傷・凍害・乾燥ストレスなどで生じた傷口から病原菌が侵入する。盆栽ではリンゴ、ナシ、サクラ、ウメ、ブナ、ケヤキなどに発生。予防には剪定後の切り口保護(癒合剤塗布)、樹勢の維持、冬季の凍害防止が重要。罹病枝は健全部まで切り戻して処分する。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月(傷口からの感染は通年)。発生しやすい気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 6件

鱗翅目ヤガ科ウワバ亜科に属する蛾の幼虫。成虫の前翅に金色の金属光沢を持つ紋様があることが名前の由来。幼虫は体長35〜45mmで、淡緑色〜緑色の尺取虫(シャクトリムシ)のような動きをするのが特徴。腹脚が退化しているため、体を大きく弓なりに曲げて移動する。夜行性が強く、日中は葉裏や株元に潜んで動かず、夜間に這い出して旺盛に食害する。葉脈を残して葉肉を食い尽くし、進行すると葉を丸ごと食べる。盆栽ではキク、バラ、レタス・シソなど草花系盆栽に被害が多いが、カエデやウメなどの広葉樹でも発生事例がある。若齢幼虫のうちはBT剤(バチルス・チューリンゲンシス菌製剤)やエマメクチン安息香酸塩が有効。老齢幼虫は薬剤が効きにくいため、夜間に懐中電灯で探して捕殺するのが確実。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(特に盛夏に多発)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 6件

病原菌:Elsinoe属・Venturia属などの糸状菌。葉や果実にいぼ状・かさぶた状の隆起した病斑ができる。病斑部はコルク化して粗くなり、組織が硬化する。特に春の降雨で胞子が飛散し感染が拡大する。若葉や若果が特に感染しやすい。盆栽ではミカン類、ナシ、リンゴ、ウメ、モモなど果樹系に多発。予防には芽吹き前〜展葉初期の保護殺菌剤散布が最も有効。罹病葉・罹病果実の除去、風通しの改善も重要。【関東】発生しやすい時期:4月〜7月(特に春の降雨期)。発生しやすい気温の目安:15〜24℃。
対応薬剤 4件

病原菌:Xanthomonas属・Pseudomonas属などの細菌。枝や葉に水浸状の暗褐色・不整形の潰瘍状病斑が形成される。進行すると病斑が拡大・融合し枝の枯死を招く。傷口(剪定傷・虫害傷・風雨傷)から細菌が侵入し、多湿環境で急速に拡大する。盆栽ではミカン類、ウメ、カキ、ゲッケイジュ、キウイなどに発生。予防には剪定器具の消毒(70%アルコール)、剪定後の癒合剤塗布、銅系殺菌剤の予防散布が有効。罹病枝は健全部を含め深めに切除する。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(特に梅雨期の多湿環境)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 2件

鱗翅目ヤガ科の蛾の幼虫。幼虫は体長25〜35mmで、灰褐色〜暗褐色。ネキリムシと同様に夜行性で、日中は土中に潜んで夜間に苗の地際を食い切る。また、新芽や蕾に食入して内部を食害することもある。盆栽では実生苗、挿し木苗、草花系盆栽に被害が多い。土を掘ると被害株の近くに幼虫が見つかる。手で捕殺またはダイアジノン粒剤の土壌施用が有効。【関東】被害が多い時期:5月〜10月(特に苗の生育期)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 4件

甲虫目テントウムシ科マダラテントウ属の植物食性テントウムシ。体長7〜10mmで、ニジュウヤホシテントウ(28星)よりやや大型。成虫・幼虫ともに葉の裏側から表皮を残して食害し、葉が絹目状に透ける。ナナホシテントウとの見分けは、斑点の数が多い(28個以上)ことで判別。盆栽ではナス科、マメ科、バラ科の花木や果樹で発生。捕殺または殺虫剤散布で防除。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(特に盛夏)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Alternaria mali(リンゴの場合)などの糸状菌。葉に直径3〜10mmの褐色〜黒褐色の円形斑点が形成され、同心円状の輪紋を伴うことが多い。斑点形成後、急速に落葉が進行し、繰り返し感染すると樹勢が著しく低下する。雨滴による胞子飛散で二次感染が拡大。盆栽ではリンゴ、ナシ、カキ、ウメなど果樹系に多発。罹病落葉の清掃・風通し改善・過密植えの回避が予防の基本。保護殺菌剤の予防散布も有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(特に梅雨期〜盛夏)。発生しやすい気温の目安:18〜26℃。
対応薬剤 3件

半翅目アオバハゴロモ科に属する吸汁性害虫。成虫は体長6〜7mmで、淡緑色の羽を持つ。幼虫は白い綿状のロウ物質の分泌物で体を覆い、枝に寄生して師管液を吸汁する。被害を受けた枝は白い綿状物質で覆われ、美観を損ねる。吸汁により樹勢が低下し、重症の場合は枝が枯れることがある。盆栽ではウメ、カエデ、サクラ、バラ、ツバキなど幅広い樹種に発生。幼虫の綿状分泌物を見つけたら初期のうちに手で取り除く。浸透移行性殺虫剤での防除も有効。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(特に盛夏に多発)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 4件

病原菌:Marssonina coronaria(リンゴの場合)やSeptoria属などの糸状菌。葉に直径5〜15mmの褐色の不整形病斑が形成され、進行すると病斑が拡大・融合して急速に落葉が進む。斑点落葉病と同様に繰り返し感染で樹勢が低下する。盆栽ではリンゴ、ナシ、ウメ、カキなどの果樹系やケヤキ、カエデに発生。多湿・風通し不良の環境で胞子飛散が活発化。罹病落葉の清掃・風通し改善・保護殺菌剤散布が予防の基本。【関東】発生しやすい時期:6月〜10月(特に夏〜秋の多湿期)。発生しやすい気温の目安:22〜28℃。
対応薬剤 3件

アザミウマ目アザミウマ科に属する微小な吸汁性害虫。体長約1.0〜1.5mmで、黄色の細長い体形。花や新芽の柔らかい組織を口器で吸汁し、花弁の変色・変形、葉の銀白色化、果実の被害を引き起こす。盆栽ではバラ、キク、ツバキ、ウメ、サクラ、ボタンなど花きものに特に多発。薬剤抗性がつきやすいため、スピノサド、アセタミプリドなど系統の異なる薬剤をローテーション散布する。青色粘着トラップでモニタリングが可能。【関東】被害が多い時期:4月〜10月(特に開花期に被害が集中)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 4件

病原菌:Mycosphaerella属・Alternaria属などの糸状菌。葉に同心円状の輪斑が現れ、進行すると病斑中心部が脱落して穿孔(小穴)が生じる。雨滴による胞子飛散で下葉から上位葉へ感染が拡大する。盆栽ではカエデ、ケヤキ、サクラ、ナシ、モミジなど広葉樹全般に発生。多湿・風通し不良の環境で多発。罹病葉の除去・風通し改善・保護殺菌剤の予防散布が有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月(特に梅雨期の多湿期)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目ハマキガ科に属する蛾の幼虫。幼虫は体長15〜20mmで、淡緑色の体に黒い頭部を持つ。葉を絹糸で綴り合わせてトンネル状の巣を作り、その中に潜んで葉肉を食害する。巣の中にいるため外部からの薬剤が届きにくいのが防除上の大きな問題。成虫は前翅に小さな角紋(コカクモン)があることが名前の由来。盆栽ではリンゴ、ナシ、ウメ、サクラ、カキなどバラ科を中心とした果樹系や、カエデ、ケヤキなど広葉樹全般に発生する。広食性が強く多くの樹種で被害が出る。巻き葉を見つけたら、葉ごと切り取って中の幼虫を処分するのが最も確実な防除法。幼虫の食入前にBT剤やエマメクチン安息香酸塩を散布すると効果的。フェロモントラップで成虫の発生消長を監視し、産卵ピーク前の散布タイミングを計ることも有効。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(年2〜3世代発生)。活動気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Pseudomonas属・Erwinia属などの細菌。葉が水浸状に軟化・褐変して急速に腐敗する。細菌性のため雨滴の跳ね返りや風雨による二次感染が急速で、降雨が続くと短期間で大きな被害となる。盆栽ではツバキ、サクラ、ウメ、キク、ランなど花弁の薄い樹種や草花系盆栽に発症しやすい。予防には風通しの改善、過湿回避、銅系殺菌剤の予防散布が有効。罹病葉は速やかに除去する。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月(特に梅雨期〜盛夏の多湿期)。発生しやすい気温の目安:24〜30℃。
対応薬剤 2件

鱗翅目ホソガ科の微小な蛾の幼虫。成虫は体長2〜3mmの微小な蛾で、葉の表皮の内側に産卵する。孵化した幼虫は葉肉内に潜り込み、葉の中をトンネル状に食い進んで白い絵描き状の食痕を残す。被害葉は若葉が波打ち状に変形することがある。盆栽ではミカン類、レモン、ユズなど柑橘系に多発。新梢が伸びる時期に被害が集中する。葉の中にいるため接触剤が効きにくく、浸透移行性殺虫剤が有効。被害葉の早期除去も重要。【関東】被害が多い時期:5月〜10月(新梢伸長期に被害集中)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Guignardia citricarpa(ミカン類)・Phyllosticta属などの糸状菌。葉や枝に直径1〜5mmの黒い小斑点が多数形成される。進行すると葉全体が黄変して落葉する。雨滴による胞子飛散で二次感染が拡大。盆栽ではバラ、ウメ、サクラ、カキ、ミカン類などに多発。黒星病と類似するが、黒点病は斑点がより小さく多数である点が異なる。予防には罹病落葉の清掃、風通し改善、雨除け管理、保護殺菌剤の予防散布が有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(特に梅雨期〜秋雨期)。発生しやすい気温の目安:18〜26℃。
対応薬剤 7件

鱗翅目コウモリガ科の蛾の幼虫。幼虫は体長60〜80mmと大型で、淡赤色〜白色の体色。幹や枝の内部に穿孔して食害する。穿孔部からフラス(木くずと糞の混合物)が排出されるのが発見の手がかり。被害が進行すると幹の強度が低下し、折損や枯死の原因となる。盆栽ではウメ、サクラ、カエデ、ケヤキ、ワレモコウなど広葉樹に発生。フラスが出ている穴から針金で幼虫を刺殺するか、専用殺虫剤を注入する。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(幼虫は通年幹内で加害)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

アザミウマ目アザミウマ科に属する微小な吸汁性害虫。体長約1.5〜2.0mmで、黄褐色の細長い体形。花や新芽を吸汁し、花弁の奇形や褐変を引き起こす。特に花に集まりやすく、開花期の被害が最も目立つ。盆栽ではバラ、キク、ウメ、サクラ、ボタンなど花きものに多発。薬剤抗性がつきやすいため、系統の異なる薬剤をローテーション散布する。青色粘着トラップでモニタリング可能。【関東】被害が多い時期:4月〜9月(開花期に被害集中)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Phomopsis属・Botryosphaeria属・Diaporthe属など多数の糸状菌が原因となる。枝が先端から褐変して枯れ込む病害の総称。病原菌の種類により症状が異なるが、多くは剪定傷や凍害・乾燥ストレスの傷口から侵入する。進行すると枝全体が枯死し樹形を大きく乱す。盆栽ではマツ、カエデ、ケヤキ、サクラ、ウメなど幅広い樹種に発生。予防には剪定後の切り口保護(癒合剤塗布)、樹勢の維持、冬季の凍害防止が重要。罹病枝は健全部まで切り戻して処分する。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月(剪定傷からの感染は通年)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 5件

半翅目ヘリカメムシ科に属する吸汁性害虫。体長15〜20mmで、褐色の体に特徴的な葉状の広い後脚を持つ。マツ類の球果(まつがさ)や新梢を吸汁し、種子の不稔や樹勢低下の原因となる。北米原産の外来種で、近年日本でも分布が拡大中。盆栽ではアカマツ、クロマツ、五葉松など全ての松類が対象。吸汁被害だけでなく、糞が幹や葉に付着してすす病を誘発することもある。捕殺またはピレスロイド系・ネオニコチノイド系殺虫剤で防除。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(球果の発達期)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Rhizoctonia solani・Pythium属・Fusarium属などの土壌病原菌。育苗期の苗の地際部が水浸状に変色しくびれて倒伏・枯死する。過湿・連作・未熟堆肥の使用が発病を著しく助長する。盆栽では実生苗、挿し木苗、取り木苗など若い苗に多発。感染後は治療が困難なため予防が最重要。清潔な用土の使用、排水性の確保、過湿回避が予防の基本。【関東】発生しやすい時期:4月〜9月(特に苗の展開期)。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 5件

カメムシ目カタカイガラムシ科に属するカイガラムシの一種。成虫は体長6〜9mmで、厚い白色のロウ物質(介殻)をかぶっており、角のような突起がある。ウメ、サクラ、カキ、ミカン類、モチノキなど多くの広葉樹に寄生し、枝や幹を吸汁する。排泄物(甘露)によってすす病を誘発し、樹勢を衰えさせる。殻が厚いため成虫には薬剤が効きにくい。冬期の石灰硫黄合剤散布や、初夏の幼虫発生期に殺虫剤を散布して防除する。少数ならブラシ等でこすり落とすのが最も確実。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(幼虫は6月頃に発生)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 6件

病原菌・生理障害の複合原因。葉先から褐変して枯死する症状の総称で、病原菌感染・乾燥ストレス・強光・寒風などが複合的に作用して発生する。病原菌による感染の場合はPestalotiopsis属・Cercospora属などの糸状菌が関与することが多い。盆栽ではマツ、カエデ、モミジ、ブナ、ケヤキなど幅広い樹種に発生。予防には適切な灌水管理、遮光、風通しの確保が有効。罹病葉は除去し、樹勢回復に努める。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月(盛夏の猛暑・乾燥期)。発生しやすい気温の目安:25〜32℃。
対応薬剤 3件

線虫動物門に属する、マツ材線虫病の病原体。体長0.5〜1.0mmと極めて小さい。マツノマダラカミキリによって媒介され、成虫の後食による傷口から樹体内に侵入する。材内の導管部で増殖し、水の通り道を塞ぐことでマツを急速に枯死させる(マツ枯れ)。盆栽では全ての松類が対象となり、感染すると治療は困難。予防には媒介者であるマツノマダラカミキリを殺虫剤で防除すること、および樹幹注入剤による線虫増殖抑制が有効。【関東】感染が目立つ時期:7月〜9月。活動気温の目安:25〜30℃。
対応薬剤 1件

半翅目カイガラムシ上科ワタフキカイガラムシ科に属する吸汁性害虫。体長3〜5mmで、雌成虫は白いロウ質の卵嚢を背負うのが特徴。枝や幹に固着して師管液を吸汁し、排泄物(甘露)がすす病を誘発する。本種は古典的な生物的防除の成功例として有名で、天敵のベダリアテントウ(オーストラリアテントウムシ)が非常に効果的。盆栽ではミカン類、ウメ、カエデ、ツバキ、マツなど幅広い樹種に発生。幼虫の移動期にマシン油乳剤や浸透移行性殺虫剤を散布するのが有効。休眠期のマシン油乳剤散布も効果的。ベダリアテントウが自然発生している場合は広域殺虫剤の使用を控え、天敵を温存する管理が望ましい。【関東】被害が多い時期:5月〜10月(幼虫移動期は5〜6月)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 5件

半翅目カイガラムシ上科ロウムシ科に属する吸汁性害虫。体長3〜5mmで、赤褐色〜暗赤色の半球形のロウ質の殻を持つ。名前の通りルビーのような赤褐色が特徴的。枝や葉に固着して師管液を吸汁するが、殻に覆われているため薬剤が浸透しにくい。排泄物(甘露)によりすす病を誘発し、葉が黒く汚れて光合成を阻害する。盆栽ではツバキ、サザンカ、モチノキ、ミカン類、カエデ、マツなど幅広い樹種に発生。特にツバキ科に多い。幼虫の移動期(孵化直後の5〜6月)にマシン油乳剤や浸透移行性殺虫剤を散布するのが最も効果的。冬季のマシン油乳剤散布も有効。固着した成虫は歯ブラシ等でこすり落とすことができる。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(幼虫移動期は5〜6月)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 5件

甲虫目ゾウムシ科に属する植物食性の甲虫。成虫は体長8〜12mmで、灰褐色の体色に長い口吻(ふん)を持つのがゾウムシの特徴。成虫は葉や新梢を口吻で穴を開けて食害し、産卵のために若枝に産卵管を差し込む。幼虫は枝内部や地際部で食害する種もある。盆栽ではサンショウ、ウメ、モモ、サクラなどに発生。被害は新梢や若葉の変形、穿孔として現れる。成虫は動きが鈍く、刺激を受けると死んだふり(擬死)をするため、手で捕殺が容易。ピレスロイド系やネオニコチノイド系殺虫剤での防除も有効。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(成虫の発生期)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

成虫が花や若葉を食害する。幼虫は土中で根を加害。体長の目安:10〜14mm。【関東】被害が多い時期:5月〜7月。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Plasmodiophora brassicae(原生生物・プラズモディオフォラ類)。根に紡錘形〜不整形のこぶが形成され、吸水・吸肥機能を正常に行えなくなる。地上部では葉が萎れ、生育が停滞する。土壌中で休眠胞子として数年以上生存するため根絶が困難。アブラナ科植物に特異的に感染し、盆栽ではワサビ、ナズナ等のアブラナ科草花に発生する。土壌pHが低い(酸性)と発病が助長されるため、石灰による土壌pHの矯正が予防に有効。清潔な用土の使用と感染土壌の再利用禁止が基本。【関東】発生しやすい時期:4月〜10月。蔓延しやすい時期:地温が上がる夏季。発生しやすい気温の目安:地温20〜28℃。
対応薬剤 2件

甲虫目コガネムシ科に属する小型のコガネムシ。成虫は体長12〜16mmで、緑色〜銅色の金属光沢がある。地域や個体により体色の変異が大きい。成虫は葉を不規則に食害し穴だらけにする。幼虫は白いC字型のいも虫で、土中(鉢土内)で根を加害する。鉢植え盆栽では幼虫の根の食害が特に深刻で、根を食い尽くされると葉がしおれて枯死する。盆栽ではカエデ、ケヤキ、バラ、サツキ、マツなど全樹種に被害の可能性がある。成虫は日中に飛来するため手で捕殺が可能。幼虫の防除には植え替え時にダイアジノン粒剤等の土壌殺虫剤を混ぜるのが有効。夜間の照明を避けることで成虫の飛来を減らせる。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫発生期)。幼虫は秋〜翌春に根を加害。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

半翅目ヨコバイ科に属する小型の吸汁性害虫。体長3〜4mmで、淡黄緑色の体に背中に数本の縦筋(背条)があるのが特徴。葉裏に寄生して細胞内容物を吸汁し、被害葉は黄白色に退色したり、葉縁が巻き上がったりする。横向きに素早く移動するヨコバイ特有の動きをする。一部の種類はファイトプラズマやウイルス病を媒介する可能性があり、吸汁被害以上に注意が必要。盆栽ではカエデ、ケヤキ、サクラ、ウメ、バラなど幅広い樹種に発生。浸透移行性殺虫剤(アセタミプリド・ジノテフラン等)での防除が有効。風通しの改善も被害軽減に効果がある。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(特に梅雨前後に多発)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目テントウムシ科マダラテントウ属に属する植物食性のテントウムシ。体長6〜8mmで、黄褐色の上翅に28個の黒い斑紋(星)を持つ。益虫のナナホシテントウ(7つの星・肉食性)とは斑紋の数で容易に区別できる。成虫・幼虫ともに葉の裏側から表皮を残して葉肉を食害し、被害葉は透けて絹目状(レース状)になるのが特徴。重症化すると葉全体が褐変して枯れる。盆栽ではナス科(トマト・ナス等)、マメ科、バラ科の花木や果樹に多発。樹木盆栽ではウメ、モモ、カキなどで被害がある。成虫は動きが遅いため手で捕殺が容易。殺虫剤散布(ピレスロイド系等)でも防除可能。卵塊は葉裏に黄色い手ぬぐい状に産み付けられるので、発見次第つぶす。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(特に盛夏に多発)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Monilinia属・Botrytis cinerea・Alternaria属など多数の糸状菌。果実が褐変・軟化して急速に腐敗する。特に成熟期の果実が雨湿環境で被害を受けやすい。盆栽ではウメ、カキ、ナシ、リンゴ、ブドウなど果樹系に多発。予防には罹病果実の早期除去、風通しの改善、保護殺菌剤の散布が有効。【関東】発生しやすい時期:6月〜9月。蔓延しやすい時期:盛夏。発生しやすい気温の目安:25〜32℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ハムシ科に属する植物食性の甲虫の総称。体長5〜12mmで、種類により体色や形状が大きく異なる。代表種にクワハムシ、クロウリハムシ、キアシクロハムシなどがある。成虫は葉を円形・不整形の穴状に食害し、種類によっては葉脈だけ残すように食い尽くすものもある。幼虫は土中で根を加害する種類が多い。盆栽ではクワ、ケヤキ、エノキ、カエデ、ウリ科植物など広葉樹全般に発生。成虫は目視で捕殺可能。ピレスロイド系や接触性殺虫剤での防除が有効。【関東】被害が多い時期:4月〜9月(成虫の発生期)。活動気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Pseudomonas属・Xanthomonas属などの細菌。新梢が水浸状に褐変し枯れ込む。傷口から細菌が侵入し、多湿環境で急速に拡大する。盆栽ではサクラ、ウメ、カエデ、マツなどに発生。予防には剪定器具の消毒、銅系殺菌剤の予防散布、風通しの確保が有効。【関東】発生しやすい時期:5月〜9月。蔓延しやすい時期:6月〜8月。発生しやすい気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 2件

甲虫目カミキリムシ科に属する中型のカミキリムシ。成虫は体長15〜25mmで、黒褐色の体に黄色い星状の斑紋(黄星)が散在する。触角は体長よりやや長い。幼虫(テッポウムシ)が幹の内部に穿孔して材を食害し、樹勢が低下する。幹表面から木くず(フラス)が排出されるのが侵入のサイン。被害が進行すると幹の強度が低下し折損や枯死の原因となる。盆栽ではイチジク、クワ、ブナ、ケヤキ、ウメなど広葉樹に発生。フラスが出ている穴から針金で幼虫を刺殺するか、専用殺虫剤を注入して防除する。成虫の飛来期に幹への殺虫剤散布も有効。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫の飛来・産卵期)。幼虫は通年幹内で加害。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目カミキリムシ科に属する大型のカミキリムシ。成虫は体長2.5〜3.5cmで、光沢のある黒色の体に白いまだら模様の斑紋が散在する。触角は体長より長く、白黒の縞模様。幼虫は「テッポウムシ」と呼ばれ、幹の内部に穿孔して材を広範囲に食い荒らす。盆栽において最も恐れられる害虫の一つで、被害が進むと樹全体が枯死する。幹表面の小さな穴から木くず(フラス)が出ているのが侵入のサイン。盆栽ではカエデ、ウメ、サクラ、ブナ、ケヤキ、イチジクなど広葉樹全般に被害。発見次第、針金で穴から幼虫を刺殺するか、専用殺虫剤を注入する。成虫の飛来防止に幹への薄いネット掛けも可能。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫の飛来・産卵期)。幼虫は通年幹内で加害。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 4件

甲虫目カミキリムシ科に属する大型のカミキリムシ。成虫は体長3.2〜5.7cmで、褐色の体に細かい縦縞模様がある。触角は体長よりやや長い。主に衰弱した樹木を好んで産卵し、幼虫が幹の内部に穿孔して食害する。樹勢が低下している盆栽は特に被害を受けやすいため、日頃からの樹勢維持が重要な予防策。盆栽ではクリ、ナラ、ケヤキ、シイ、サクラなど広葉樹に発生。幹表面にフラス(木くずと糞の混合物)が排出されていたら幼虫が侵入しているサイン。針金で幼虫を刺殺するか専用殺虫剤を注入する。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫の発生期)。幼虫は通年幹内で加害。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

半翅目カメムシ亜目に属する吸汁性害虫。体長14〜18mmで、赤褐色〜海老色の体を持つ。口器(口吻)を新梢や果実に差し込んで吸汁し、吸汁痕が変形や褐変の原因となる。重症では落果や生育不良を引き起こす。盆栽ではカキ、ウメ、ナシ、ブドウ、バラなど果樹系や花きものに被害が出る。飛翔能力が高く周辺から飛来するため完全な防除が難しい。ペットボトル等での捕獲が効果的。ピレスロイド系やネオニコチノイド系殺虫剤で防除可能だが、飛来が続くため予防散布の継続が必要。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(特に果実肥大期〜成熟期)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

半翅目カメムシ亜目カメムシ科に属する吸汁性害虫。体長14〜18mmで、鮮やかな黄緑色〜緑色の体色が特徴。口器を新梢や果実に差し込んで吸汁し、吸汁痕が褐変や奇形として残る。果実の吸汁被害は商品価値・観賞価値を著しく低下させる。危険を感じると悪臭を放つ。盆栽ではカキ、ウメ、ナシ、ブドウ、リンゴなど果樹系や、バラ、ボタンなど花きものに被害。飛翔能力が高く周辺から飛来するため完全な防除が難しい。ペットボトルでの捕獲が効果的。薬剤防除はピレスロイド系やネオニコチノイド系が有効。【関東】被害が多い時期:6月〜10月(特に果実肥大期〜成熟期)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Botrytis cinerea(灰色かび病菌)・Sclerotinia属などの糸状菌。花が褐変・水浸状に軟化して腐敗する。開花期の多湿・降雨環境で特に発生しやすい。盆栽ではウメ、サクラ、カエデ、ツバキ、ボタンなど花きものに多発。予防には花がらの早期除去、風通しの改善、過湿回避が有効。【関東】発生しやすい時期:3月〜6月。蔓延しやすい時期:開花期の降雨時。発生しやすい気温の目安:12〜22℃。
対応薬剤 3件

半翅目カメムシ亜目カメムシ科に属する吸汁性害虫。体長10〜14mmで、黒色の体に赤い縦条(赤筋)が入る非常に目立つ外見が特徴。口器を新芽や果実に差し込んで吸汁し、吸汁痕が褐変として残る。盆栽ではセリ科(ニンジン・パセリ等)を中心に、ウメ、ナシ、カキなど果樹系でも被害がある。追い回して手で捕殺するか、ピレスロイド系やネオニコチノイド系殺虫剤で防除。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(果実肥大期)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

病原菌:Botryosphaeria属・Cytospora属などの糸状菌。幹が部分的に褐変・枯死する。樹勢が低下している樹や傷口のある樹に発生しやすい。盆栽ではマツ、ケヤキ、カエデ、ウメ、サクラなどに発生。予防には樹勢の維持、剪定後の癒合剤塗布が重要。【関東】発生しやすい時期:5月〜10月。蔓延しやすい時期:夏季。発生しやすい気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

膜翅目アリ科に属する社会性昆虫。体長2〜8mmで、種類により体色が異なる(黒、赤褐、黄色など)。アリ自体は植物を直接食害することは少ないが、アブラムシやカイガラムシなどの吸汁性害虫と共生関係を結び、害虫の排泄物(甘露)を得る代わりに天敵(テントウムシ等)から害虫を保護する。その結果、アブラムシやカイガラムシの個体数が増加し、吸汁被害やすす病の発生を助長する。また、鉢土内に巣を作ると根の周囲の土壌構造が乱れ、根の生育に悪影響を与えることがある。盆栽ではほぼ全樹種の棚場で見られる。アリの行列が枠の上を移動している場合は、アブラムシが発生しているサイン。アリ自体の防除も重要だが、根本的には共生している吸汁性害虫の防除が優先。アリの防除にはホウ酸系やピレスロイド系の殺虫剤、アリの巣ジェル等が有効。【関東】被害が多い時期:4月〜10月(吸汁性害虫の活動期に伴う)。活動気温の目安:18〜30℃。
対応薬剤 3件

唇足綱オオムカデ目に属する多足類。体長約4.0〜15.0cmで、多数の脚を持つ細長い体形。盆栽においては植物を直接食害することは少ないが、鉢内や土中に巣を作り、移動中に根や新芽、幼苗を傷つけることがある。また、棚場に潜む大型のムカデ(トビズムカデ等)は人を咬むことがあり、強い痛みと腫れを伴うため注意が必要。多湿の環境を好むため、鉢の下や落ち葉の下、石の隙間などに潜んでいる。盆栽では棚場の清掃・通風の確保で生息環境を減らすことが基本。鉢底にネットを敷くことで侵入を防げる。発見時は必ず手袋を着用して捕獲する。【関東】被害が多い時期:4月〜10月(特に梅雨期から盛夏に多発)。活動気温の目安:15〜28℃。
対応薬剤 1件

甲虫目コガネムシ科に属する植物食性の甲虫の総称。体長8〜25mmで、種類により緑色・銅色・褐色など体色が異なる。代表種にドウガネブイブイ、マメコガネ、ヒメコガネ、アオドウガネ等。成虫は葉・花を食害し、幼虫(白いC字型のいも虫)は土中で根を加害する。鉢植え盆栽では幼虫の根の食害が特に深刻で、根が食い尽くされると樹勢が急速に低下し枯死に至る。盆栽では全樹種に被害の可能性がある。成虫は夜行性の種類が多く灯火に誘引される。幼虫の防除には植え替え時の土壌殺虫剤混和が有効。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(成虫の発生期)。幼虫は通年根を加害。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 6件

甲虫目キクイムシ科に属する微小な穿孔性害虫。成虫は体長2〜4mmと小型で、褐色〜黒褐色の円筒形の体を持つ。成虫が衰弱した樹の幹に小さな穴を開けて穿孔し、内部の材を食害する。穿孔孔から細かい木くずが排出される。被害は樹勢が低下している樹で特に深刻で、枯死を早める。盆栽ではシラカバ、ダケカンバ、ケヤキ、ブナなど広葉樹に発生。予防には樹勢の維持が最重要で、弱った樹を狙うため適切な潅水・施肥管理が基本。被害枝は早期に切除して処分する。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(成虫の飛来期)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

半翅目ウンカ科に属する小型の吸汁性害虫。体長2〜3mmで、黄褐色〜褐色の体色。イネの重要害虫として最も有名で、葉裏に寄生して師管液を吸汁し、被害葉は黄化・萎凋する。大量発生時は「坪枯れ」と呼ばれる壊滅的な水稲被害を引き起こす。盆栽ではイネ科の草花系盆栽や、棚場付近のイネ科植物から飛来して被害を与える可能性がある。浸透移行性殺虫剤での防除が有効。【関東】被害が多い時期:7月〜9月(台風・季節風で飛来)。活動気温の目安:25〜30℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目スズメガ科に属する大型の蛾の幼虫。成虫は羽が透明な蛾で、ハチドリのようにホバリングしながら花の蜜を吸う。幼虫は体長55〜65mmと大型で、淡緑色の体に尾端に角状の突起(尾角)を持つ。葉を大量に食害し、成長が非常に早く短期間で樹を丸坊主にすることがある。盆栽ではクチナシ(ガーデニア)に特異的に発生することが最も多いが、ウメ、サクラ、サルスベリなどでも被害例がある。大型なため目視での発見・捕殺が容易。BT剤は若齢幼虫には効果があるが、老齢幼虫には効きにくい。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(特に盛夏に被害が集中)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ハムシ科に属する植物食性の甲虫。成虫は体長7〜9mmで、黒藍色の金属光沢がある。成虫が葉を穴状に食害し、幼虫は土中で根を加害する。盆栽では主にクワ(桑)、ケヤキ、エノキ、ニレなど広葉樹に発生。成虫は目視で捕殺可能。接触性殺虫剤での防除も有効。【関東】被害が多い時期:4月〜8月(成虫の発生期)。活動気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 3件

半翅目カイガラムシ上科マルカイガラムシ科に属する吸汁性害虫。介殻の直径は約1.5〜2mmで、灰白色の円形で中心にオレンジ色の殻点がある。枝や幹の表面に固着して師管液を吸汁し、殻の下で生活するため薬剤が直接届きにくい。重症化すると枝の一面に密生して樹勢が著しく低下し、排泄物(甘露)によるすす病を誘発する。名前の通りナシに多いが、盆栽ではリンゴ、ウメ、サクラ、カキ、カエデなど幅広い樹種に発生。幼虫の孵化直後(移動期)が最も効果的な防除時期で、5〜6月にマシン油乳剤や浸透移行性殺虫剤を散布する。休眠期の冬季にもマシン油乳剤散布が有効。固着した成虫は歯ブラシなどでこすり落とすことも可能。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(幼虫移動期は5〜6月)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 6件

甲虫目ゾウムシ科チョッキリ亜科に属する小型のゾウムシ。体長4〜6mmで、全体が黒色。新梢の基部に口吻で穴を開けて産卵し、その後新梢を切り落とす「チョッキリ」行動が特徴的。切り落とされた新梢は褐変して枯れる。盆栽ではウメ、モモ、サクラ、バラなどバラ科の花木で特に被害が多い。新梢が急に萎れているのを見つけたら本種の被害を疑う。切り落とされた新梢ごと処分する。成虫は動きが鈍く捕殺が容易。【関東】被害が多い時期:5月〜7月(新梢伸長期)。活動気温の目安:18〜26℃。
対応薬剤 3件

半翅目アブラムシ上科に属する吸汁性害虫。体長1.5〜2.5mmで、淡緑色〜黄緑色の体色。お尻の先が赤みを帯びることがあるのが名前の由来。新芽や葉裏に群生し師管液を吸汁し、被害を受けた新梢は縮れ、葉が巻き、生育が停滞する。甘露を分泌しすす病を誘発するほか、各種ウイルス病(CMV・PVY等)の重要な媒介者でもある。盆栽ではモモ、ウメ、サクラ、バラ、キクなど幅広い樹種に発生。少数なら水で洗い流すかテープで捕殺。多発時は浸透移行性殺虫剤で防除。天敵にテントウムシ、ヒラタアブ等がいる。【関東】被害が多い時期:4月〜6月・9月〜10月(特に新芽展開期)。活動気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 3件

半翅目アブラムシ上科に属する広食性の吸汁性害虫。体長1〜2mmで、黄緑色〜緑色の体色。非常に広い寄主範囲を持ち、100科以上の植物を加害する。新芽や若葉の裏側に群生して師管液を吸汁し、被害を受けた新梢は縮れ・巻き葉になる。甘露を分泌しすす病を誘発するほか、CMV(キュウリモザイクウイルス)など各種ウイルス病の媒介者。盆栽ではカエデ、ウメ、サクラ、バラ、キク、サツキなどほぼ全樹種に発生。繁殖力が強く、春〜秋は単為生殖で急速に増殖する。少数なら水で洗い流すか捕殺。多発時は浸透移行性殺虫剤で防除。【関東】被害が多い時期:5月〜10月(特に新芽展開期から秋まで)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目コガネムシ科ハナムグリ亜科に属する中型の甲虫。成虫は体長12〜18mmで、緑色の金属光沢がある美しい体色。背面に白い斑点が入る個体が多い。成虫は日中に活発に花や樹液に飛来し、花粉や花弁を食害して観賞価値を著しく低下させる。柔らかい新葉をかじることもある。幼虫は白いC字型で土中(腐葉土等)の有機物を主食とするため、根への直接的な食害被害は他のコガネムシ類より少ない。盆栽ではウメ、サクラ、バラ、ツバキ、カエデなど花き・広葉樹に飛来する。成虫は日中に花に止まっているところを手で捕殺するのが最も確実。開花期は防虫ネットも有効。【関東】被害が多い時期:5月〜7月(成虫の発生期)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目コガネムシ科に属する大型のコガネムシ。成虫は体長18〜24mmで、鈍い緑色の金属光沢を持つ。ドウガネブイブイに似るが、体色が緑がかっているのが特徴。成虫は夜行性で、夜間に灯火によく飛来し広葉樹の葉を不規則に暴食して穴だらけにする。幼虫は土中で根を食害し、特に鉢植え盆栽では根が食い尽くされて樹勢低下や枯死の致命的被害をもたらす。盆栽ではカエデ、ケヤキ、サクラ、バラ、ウメなどほぼ全樹種で発生の可能性がある。成虫の飛来防止には夜間の消灯が有効。幼虫対策として植え替え時のダイアジノン粒剤などの土壌殺虫剤混和が必須。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫期)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ハムシ科に属する植物食性の甲虫。体長7〜9mmで、頭部・胸部・腹部が橙黄色〜赤褐色で、前翅(背中)が一面黒色なのが特徴。名前の通りウリ科(カラスウリなど)を好むが、広食性で様々な植物を食害する。成虫は葉を不規則な穴状または円形に食害し、被害葉は穴だらけになる。盆栽ではウリ科植物のほか、ナデシコ科などの草花系や大豆等のマメ科に飛来して被害を与える。飛び立ちが素早く捕まえるのがやや難しい。発見次第、ピレスロイド系やネオニコチノイド系殺虫剤で防除する。活動が鈍る早朝の捕殺も有効。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(特に初夏から夏)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目テントウムシ科に属するマダラテントウの一種(植物食性のテントウムシ)。体長4〜6mmで、全体が黒色で両上翅に1対の大きな赤〜橙色の斑紋(星)があるのが特徴。益虫のダンダラテントウやナミテントウの黒色型に似るが、本種は草食性(害虫)。成虫・幼虫ともに植物の葉を裏側から表皮を残すようにかじり、被害葉は白く透けて不規則な網目状の痕(レース状)になる。盆栽ではモクセイ科(ヒイラギ、キンモクセイ、ネズミモチ等)に特異的に集まり被害を出すことが多い。発見次第、手で捕殺するか殺虫剤で防除する。益虫のテントウムシと間違えないよう注意。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(年数世代発生)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ハムシ科に属する小型の植物食性甲虫。体長5〜7mmで、全体が光沢のある黒色だが、脚(特に脛節から跗節)が黄褐色(黄色い足)なのが名前の由来にして最大の特徴。成虫が新芽や若葉の縁から虫食い状に不規則に食害する。集団で発生することがあり、新葉期の被害は樹の生育に影響を与えやすい。盆栽ではエノキ(榎)やケヤキなどのニレ科広葉樹に特異的に多く発生する。防除としては成虫の捕殺が有効だが、刺激を受けると葉からぽろりと落ちて死んだふりをするため、下に受け皿を置いて落として捕まえるとよい。スミチオン等の接触性有機リン系殺虫剤やピレスロイド系が有効。【関東】被害が多い時期:4月〜8月(特に5〜6月に集中)。活動気温の目安:18〜26℃。
対応薬剤 3件

甲虫目コガネムシ科に属する小型のコガネムシ。成虫は体長10〜14mmで、黄褐色の地に大小の不規則な黒い斑紋(まだら模様)があるのが特徴。ただし黒化型や無斑型など色彩変異が非常に多い。成虫は日中に活動し、広葉樹の葉を不規則に食害して穴だらけにする。幼虫は小型の白いC字型のいも虫で、土中で芝や植物の根を加害する。盆栽ではカエデ、サクラ、バラ、マメ科、草物盆栽など幅広い植物に飛来・発生する。成虫は動きがやや鈍いため日中に捕殺可能。幼虫の被害を防ぐため定期的な植え替えとダイアジノン粒剤等の土壌殺虫剤の使用が効果的。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫の発生盛期)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

半翅目カメムシ亜目カメムシ科に属する吸汁性害虫。体長7〜9mmで、黒色の地に赤色〜橙色の複雑で派手な紋様(人面のように見えることもある)を持つのが特徴(「菜カメムシ」が名前の由来)。アブラナ科の植物を特に好んで吸汁加害し、茎や葉、蕾に口器を刺して汁を吸う。被害部分は白く退色・萎凋し生育が阻害される。盆栽ではナデシコ、葉牡丹、その他草花系のアブラナ科植物に発生。成虫で越冬するため早春から姿を見せる。目立つ色のため発見しやすいが、触ると特有の強い悪臭を放つのに注意。ペットボトルに落とし込むか、ピレスロイド系やネオニコチノイド系殺虫剤で防除。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(春〜初夏に多い)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

半翅目カメムシ亜目カメムシ科に属する中型の吸汁性害虫。体長10〜12mmで、体全体は鮮やかな黄緑色〜緑色だが、背中の翅の部分(前翅膜部・革質部の一部)が茶褐色(茶羽)なのが特徴。果樹類の極めて重要な害虫で、果実や新梢に口吻を刺して吸汁する。果実表面は凸凹の奇形(スポンジ状)になり、内部は褐変して落下・腐敗の原因となる。盆栽ではウメ、ナシ、カキ、ブドウ、リンゴなど果物・実もの盆栽全般に甚大な被害を生じる。飛翔力が高く、夜間は灯火にも飛来する。成虫は越冬し、年に数回発生する。刺激すると激しい悪臭を放つ。殺虫剤(ネオニコチノイド系等)による予防散布や、果実への袋掛け(小品以外)、防虫ネットの使用が防除の基本。【関東】被害が多い時期:6月〜10月(果実の肥大〜成熟期)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

半翅目カメムシ亜目カメムシ科に属する大型の広食性カメムシ。体長14〜18mmで、全体が暗褐色〜灰褐色のまだら模様をしており、樹皮に似た保護色となっている。非常に広食性で、果樹、野菜、庭木、豆類などあらゆる植物を加害する。新梢や果実を吸汁し、果実の変形・褐変・落果を引き起こす。秋になると越冬場所を求めて家屋内に侵入し、悪臭を放つ「不快害虫」としても有名。盆栽ではウメ、ナシ、カキ、リンゴなどの果樹系や、サクラ、ケヤキなど多くの広葉樹で吸汁被害が出る。成虫は飛来するため、薬剤散布だけでなく防虫ネットによる物理的遮断が有効。冬季の樹皮の粗皮削りも越冬虫を減らす効果がある。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(秋季は越冬移動で目に付きやすい)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ハムシ科ノミハムシ亜科に属する小型の植物食性甲虫。成虫は体長2〜3mmで、黒色の背中(前翅)に太い黄色の縦スジ(黄筋)が1対あるのが特徴。後脚が太く発達しており、危険を感じるとノミのように強力に跳躍して逃げることが名前の由来。成虫は葉の表皮を薄く残して丸くかじるため、被害葉は無数の小さな斑点状の食痕ができ、のちに穴があく。幼虫は土中でダイコンやカブなどの根を食害する。アブラナ科の野菜・草花で最も被害が大きい害虫の一つ。盆栽ではナデシコ、ハボタンなどアブラナ科の草もの盆栽に発生。成虫は跳躍するため捕殺が難しく、ピレスロイド系やネオニコチノイド系の殺虫剤散布が有効。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(特に初夏と秋口)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

半翅目アブラムシ上科に属する吸汁性害虫群の総称。体長2〜3mmで、体長よりもはるかに長い触角(ヒゲ)を持つ種が多いのが特徴(代表例:バラヒゲナガアブラムシ、イバラヒゲナガアブラムシなど)。体色は種によって緑色、褐色、赤色など様々。植物の新梢、蕾、葉裏などに群生して師管液を吸汁する。被害部分は生育が停滞し、萎縮や奇形を生じる。排泄物(甘露)によりすす病を誘発し、ウイルス病を媒介するのも他のアブラムシと同様。盆栽ではバラ、ウメ、キク等の多くの植物に発生する。繁殖力が非常に強いため、少数発見した時点で水洗い、テープによる捕殺、または浸透移行性殺虫剤による早期防除を行う。【関東】被害が多い時期:4月〜6月・9月〜10月(春秋に多発し夏場は減少する種が多い)。活動気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目シジミチョウ科の樹上性シジミチョウの幼虫。成虫は翅裏がオレンジ色で黒い斑紋を持つ。幼虫は体長20〜25mmで、平べったい特異な体形をした緑色のイモムシ。広葉樹の葉をふちからかじり取って食害する。盆栽では雑木系樹種で被害が発生することがある。発見しやすい形状であるため、目視による見つけ取り(捕殺)が確実。発生量が多い場合は接触性殺虫剤などを散布するが、盆栽では少数寄生にとどまることが多い。※クロシジミ(Niphanda fusca)はアリ共生性の全く別の種。【関東】被害が多い時期:5月〜7月(幼虫の発生は年1回、初夏に集中)。活動気温の目安:18〜26℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目イラガ科の蛾の幼虫の総称。代表種にイラガ、ヒロヘリアオイラガ、アオイラガなど。幼虫は体長15〜25mmで、緑色や黄色、褐色の派手な体色に、多数の棘(毒針毛)を持つウミウシのような外見をしている。この棘に触れると電撃的な激痛(「蜂に刺されたよう」と表現される)が走り、数日間痛みが残るなど、人体への被害が最も危険な害虫の一つ。幼虫は葉の裏側に集団で寄生し、葉肉を透かし食い(表皮を残す)する。成長すると分散して葉を丸ごと食害する。盆栽ではカキ、カエデ、ケヤキ、ウメ、サクラ、バラなど広葉樹全般に広く発生。防除時は必ず厚手の手袋と長袖を着用し、絶対に素手で触れない。若齢の集団期に葉ごと切り取って処分するのが最も安全・確実。殺虫剤による駆除も有効だが、死骸の棘にも毒が残るため処分に注意。【関東】被害が多い時期:6月〜10月(発生は年1〜2回、盛夏に多発)。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 8件

鱗翅目ドクガ科に属する大型の蛾の幼虫(毛虫)。幼虫は最大で体長50〜70mmに達し、頭部に特徴的な「八」の字模様があり、背中には赤と青の点状の毛束が並ぶ。名前に「ドクガ」とつくが、1齢幼虫(孵化直後)以外は毒針毛を持たない(ただし触れると肌がかぶれる体質の人は注意)。極めて広食性で、サクラ、ウメ、カエデ、ケヤキ、果樹類からマツなどの針葉樹まであらゆる植物の葉を暴食する。数年おきに大発生(アウトブレイク)することがあり、山林の樹木を丸裸にすることもある。盆栽でも飛来した幼虫による無差別な食害が起こり得る。幼虫は目立つため手で捕殺可能(割り箸か手袋を使用)。若齢幼虫にはBT剤やフェニトロチオン系の殺虫剤が有効。幹に産み付けられた卵塊(黄褐色の毛で覆われている)を冬の間に削り取って処分するのが最良の予防策。【関東】被害が多い時期:4月〜7月(幼虫の活動期)。活動気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 6件

鱗翅目シロチョウ科に属するチョウの幼虫(俗称:アオムシ)。幼虫は体長25〜35mmで、ビロード状の微毛に覆われた鮮やかな緑色のイモムシ。刺激を受けると丸まる。アブラナ科の植物を特異的に食害することで有名(キャベツ、ハクサイ、ダイコンなど)。成虫が飛来して葉裏に黄色い弾丸状の卵を産み付ける。盆栽では葉牡丹、ナデシコなどのアブラナ科の草もの飾りに発生し、葉を不規則な穴状に食害して景観を著しく損ねる(樹木盆栽には寄生しない)。発見は容易なため見つけ次第捕殺する。成虫の飛来や産卵を防ぐための防虫ネットが非常に有効。発生前〜初期のBT剤による防除も効果が高い。【関東】被害が多い時期:4月〜11月(長期間にわたり数回発生)。活動気温の目安:15〜28℃。
対応薬剤 6件

鱗翅目ヤガ科に属する大型の蛾の幼虫。成虫は赤褐色の翅を持ち、前翅の後縁がえぐれたような形状をしているのが名前の由来で、枯れ葉に非常によく擬態する。幼虫は体長35〜45mmの大型のイモムシで、緑色タイプと褐色・黒色タイプがおり、体側に目玉のような模様(眼状紋)を持つことがある。アオツヅラフジなどのツヅラフジ科(Menispermaceae)を好むが、一部の果樹・広葉樹の葉も旺盛に食害する。大型で大食漢のため、発見が遅れると短期間で枝の葉が食い尽くされることがある。盆栽では特定の樹種だけでなく周辺の雑草から移動してきて加害することもある。大きいため手で容易に捕殺可能。防除には一般のチョウ目用殺虫剤を使用する。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(成虫の発生は初夏と秋の年2回)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

甲虫目コガネムシ科に属する代表的な植物食性甲虫。成虫は体長20〜25mmで、全身が非常に強い鮮やかな緑色の金属光沢を持ち、見る角度によって赤紫や赤銅色を帯びて輝く美しい虫(いわゆる「黄金虫」の標準和名を持つ種)。美しい外見とは裏腹に、成虫は日中に活発に飛び回り、広葉樹の葉や花を縁から不規則に暴食する(葉脈も食べるが太い脈は残ることが多い)。幼虫は土中で根を食害する。盆栽ではサクラ、ウメ、ケヤキ、カエデ、バラ等あらゆる広葉樹で被害。飛翔性が高く次々と飛来するため防除が難しい。見つけ次第捕殺するか、飛来前にスミチオン等の接触性殺虫剤を散布しておく。成虫飛来期に防虫ネットを張るのも物理的防除として有効。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(盛夏を中心に発生)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 7件

ダニ目ハダニ科に属する極微小な吸汁性害虫。体長0.4〜0.5mmで肉眼では赤い細かい砂粒のように見える。夏型は黄緑色〜暗赤色、休眠中の冬型は鮮やかな赤色になる。非常に広食性で、果樹、野菜、花卉などあらゆる植物に寄生する。葉裏に寄生して細胞内容物を吸汁し、被害葉は表面に白いカスリ状の斑点が無数に現れ、進行すると白化〜褐変して枯死・落葉する。また、クモの巣のような細かい糸(網)を張るため「スパイダーマイト」とも呼ばれる。盆栽ではバラ、ウメ、サクラ、カエデ、ケヤキなどに発生。高温乾燥を非常に好むため、梅雨明けの盛夏〜残暑期に爆発的に増殖する。水に弱いため、日々の葉水(葉裏へのシリンジ)が最大の予防策。農薬は専用の殺ダニ剤を使用するが、薬剤の抵抗性がつきやすいため、年1回の使用に留め別系統の薬剤とローテーションする。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(特に梅雨明け後の高温乾燥期)。活動気温の目安:25〜30℃以上。
対応薬剤 8件

ダニ目ハダニ科に属する極微小な吸汁性害虫。体長0.4〜0.5mmで、ナミハダニに似るが、年間を通じて濃い赤色(暗赤色)をしているのが特徴。生態や被害症状はナミハダニとほぼ同じで、葉裏に寄生して細胞内容物を吸汁し、葉表面に白いカスリ状の斑点を生じさせる。クモの巣状の糸を多量に出す。盆栽をはじめ果樹、野菜、庭木など広範囲の植物に寄生する。茶(チャノキ)における最重要害虫の一つ。ナミハダニ同様、高温と乾燥を好むため真夏に急増する。毎日の葉水による湿度保持が最も有効な予防・耕種的防除となる。発生時には専用の殺ダニ剤を散布するが、薬剤抵抗性の発達が早いため連続使用は避け、系統ごとにローテーションを組む。気門封鎖系の薬剤(粘着剤等)も有効で抵抗性がつかない。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(梅雨明けに多発)。活動気温の目安:25〜30℃。
対応薬剤 9件

線形動物門ネセンチュウ属(Tylenchulus属)に属する微小な植物寄生性線虫。学名 Tylenchulus semipenetrans。成虫の体長はメス約0.35mm、オス約0.33〜0.40mm。カンキツ類の根に半内部寄生(semi-endoparasite)する。ネコブセンチュウのような顕著な根こぶは形成しないが、根の皮層に侵入して吸汁し、「スローディクライン(slow decline)」と呼ばれる緩慢な樹勢低下を引き起こす。地上部では葉の黄化・落葉・果実の品質低下が徐々に進行する。柑橘盆栽(キンズ、ユズ、カラタチ等)特有の土壌害虫。防除には殺線虫剤(ホスチアゼート等)の土壌処理や、植え替え時の清潔な用土の使用が有効。古い土の使い回しは感染を広げる原因となる。【関東】被害が多い時期:5月〜10月。蔓延しやすい時期:地温の高い夏季。活動気温の目安:地温20〜28℃。
対応薬剤 2件

ダニ目ツヤハダニ科に属する極微小な吸汁性害虫。体長はハダニ類の中でも特に小さく0.3〜0.5mm程度。体色は淡黄色〜黄緑色で、名前の通り他のハダニにはない強い光沢(ツヤ)があるのが特徴。一般のハダニ(ナミハダニ等)は葉裏に寄生しクモの巣状の糸を張るが、ツヤハダニは葉の【表面】に寄生して汁を吸い、糸は張らないという大きな生態的違いがある。吸汁されると葉の表面に細かいカスリ状の白斑が無数に生じ、光沢が失われて全体が白茶けて(くすんで)くる。重症化すると葉が黄変して奇形となったり早期落葉する。ツバキ、サザンカなどのツバキ科や、マツなどに発生することもある。ハダニ類と同様に高温乾燥を好む。日常的な葉水(シリンジ・葉の表面への散水)で密度を抑制できる。発生した場合はハダニ専用の殺ダニ剤を散布するが、薬剤への抵抗性発達に注意しローテーション散布を徹底する。【関東】被害が多い時期:6月〜9月。蔓延しやすい時期:高温乾燥期。活動気温の目安:25〜30℃。
対応薬剤 5件

鱗翅目ヤガ科の蛾の幼虫。代表的な「ネキリムシ」の一種。幼虫は体長35〜50mmで、灰褐色〜暗褐色の鈍い光沢を背中に持ち、触れると丸く体を巻く。夜行性が強く、日中は株元の土中に浅く潜んでおり、夜間や早朝に地上に出て植物の地際(茎の根元)を噛み切って倒す「根切り」被害を引き起こす。時には地中に植物を引き込んで食害することもある。雑食性で野菜からの被害が多いが、盆栽では種まき後の実生苗や挿し木したばかりの若苗が特に狙われやすく、一晩で多数の苗が倒される致命的な被害となる。被害株が見つかったら、付近の土を軽く掘ると丸まった幼虫が容易に見つかるため捕殺する。予防としては苗の周囲の土壌にダイアジノン粒剤を散布しておくか、忌避効果のある木酢液を散布する。【関東】被害が多い時期:5月〜7月・9月。蔓延しやすい時期:梅雨明け〜盛夏。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

半翅目アブラムシ上科に属する大型の吸汁性害虫。体長2〜3mmとアブラムシの中では大型で、全身が光沢のある黒色(クリ・クロ・コハク色にも見える)をしている。新梢や若葉、太い枝などに密集して群生し、長い口吻を刺して師管液を吸汁する。群生した枝は黒く覆いつくされることもあり、著しく景観を損なう。吸汁により新梢の生育は停滞し、多量に分泌される甘露(排泄物)によって下方の葉や周囲がベタベタになり、すぐにすす病を誘発して真っ黒に汚れる。盆栽ではクリ、クヌギ、コナラなどのブナ科や、サクラなど広葉樹に発生することがある。発見したらホースの水流で吹き飛ばすか、歯ブラシ等でこすり落とす。大量発生時は浸透移行性殺虫剤や気門封鎖剤を散布する。【関東】被害が多い時期:4月〜6月・9月〜10月。蔓延しやすい時期:新梢伸長期。活動気温の目安:15〜25℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ゾウムシ科に属する日本最大級のゾウムシ。成虫は体長12〜29mm(日本最大のゾウムシ)で、体表は灰褐色から暗褐色の鱗片で覆われ、ゾウの鼻のように長く太い口吻を持つ。クヌギ、コナラなどのブナ科広葉樹やヤナギ類などの樹液によく集まるが、成虫はそれらの新梢や若葉も後食(かじって食べる)する。幼虫はマツ、スギ、ヒノキなどの針葉樹やブナ科などの倒木・枯死木、あるいは衰弱した生木の内部を広く食害する穿孔性害虫。盆栽ではブナ科やマツ類の素材盆栽、あるいは衰弱した樹木に産卵され、幼虫が内部を食い荒らして枯死に至らしめる危険がある。予防としては樹勢を維持し枯れ枝を早めに切除すること。成虫は夜行性で樹液に集まるため見つけて捕殺する。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(成虫活動期)。蔓延しやすい時期:樹勢低下時。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目ハマキガ科に属する蛾の幼虫。幼虫は体長18〜25mmで、体色は淡緑色〜緑色。茶(チャノキ)の大害虫として有名だが、広食性でカエデ、サクラ、果樹などの広葉樹からスギ、マキなどの針葉樹まで幅広く食害する。幼虫は糸を吐いて複数枚の葉を重ね合わせて「巣(巻き葉)」を作り、その中に潜んで内側から葉を食害する。巣の中には大量の糞が溜まり、美観を著しく損ねるだけでなく、葉がボロボロになる。盆栽ではチャノキ、ツバキ、カエデなどで被害が目立つ。巣の中で守られているため、殺虫剤を散布しても液が届きにくく効果が出にくい。防除の基本は、巻かれた葉(巣)を見つけ次第、中の幼虫ごと指で強く潰すか、葉ごと摘み取って物理的に処分すること。農薬を使用する場合は浸透移行性殺虫剤が有効。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(年4〜5回発生)。蔓延しやすい時期:夏〜初秋にかけての多発期。活動気温の目安:22〜28℃。
対応薬剤 3件

アザミウマ目(スリップス総目)に属する微小昆虫の総称。ミカンキイロアザミウマやネギアザミウマなどが代表的。体長1.0〜2.0mmと非常に小さく、細長い形状で黄〜褐色をしているため「動く糸くず」のように見える。植物の葉や蕾、花びらに寄生し、針のような口器で表皮の細胞を刺し破って内容液を吸汁する。被害を受けた葉は白いカスリ状〜銀白色の斑点(シルバリング)ができ、花弁は茶色く変色・奇形となり甚大な被害を受ける。また、トマト黄化えそウイルス(TSWV)などの重要なウイルス病を媒介するのも大きな脅威。盆栽ではバラ、キク、サツキなどの花物類や、新芽展開期のカエデ等で発生しやすい。発見が遅れやすいため、花や新芽を白い紙の上で軽く叩いて落ちる虫を確認する。非常に薬剤抵抗性がつきやすいため、有効な専用殺虫剤(スピノサド等)をローテーション散布する。青色や黄色の粘着トラップも誘殺に有効。【関東】被害が多い時期:4月〜10月。蔓延しやすい時期:開花期および高温乾燥の初夏〜夏。活動気温の目安:20〜30℃。
対応薬剤 8件

半翅目カメムシ亜目カメムシ科に属する大型の吸汁性害虫。体長12〜16mmで、暗褐色〜黒色の地に鮮やかな赤〜橙色の複雑な斑紋(マダラ模様)を持つ派手なカメムシ。主にサクラ、ウメ、モモなどのバラ科植物や、カエデ、ケヤキなどの広葉樹に寄生し、新梢や果実に口吻を刺して吸汁する。被害を受けた果実は奇形や落果を招き、新梢は生育が阻害される。集団で発生することが多く、幼虫期から成虫まで植物上に群生する姿は非常に目立つ。他のカメムシ同様、刺激すると強烈な悪臭を放つ。成虫は飛翔して広がるため、発生初期の防除が重要。捕殺するか、ピレスロイド系やネオニコチノイド系の殺虫剤を散布する。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(夏から秋にかけて多発)。蔓延しやすい時期:果実肥大期〜成熟期。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ハムシ科に属するイネクビボソハムシの幼虫。名前の通り、水稲(イネ)の重要害虫である。「ドロオイムシ(泥負い虫)」という名前は、幼虫が自身の背中に糞と分泌物を混じり合わせた泥状の汚物を背負う習性に由来し、天敵から身を守っているとされる。幼虫は体長4〜5mm。成虫は首が細いハムシで越冬し春に発生する。水稲の葉の表皮を線状に残して葉肉を食害するため、被害葉は白く透けてかすれる(白化現象)。盆栽においては一般的な樹木盆栽に被害を出すことはないが、風流な添え草として「田植え盆栽」や水生植物(ヨシなど)を培養している場合に発生する可能性がある。幼虫は目立つため見つけ次第捕殺するか水で洗い流す。防除の農薬はイネ科用の登録農薬を参照。【関東】被害が多い時期:5月〜7月(特に梅雨の時期)。蔓延しやすい時期:水生植物・イネの生育初期。活動気温の目安:18〜25℃。
対応薬剤 3件

双翅目クロバエ科キンバエ亜科に属するハエの総称。体長8〜10mmで、美しい金属光沢のある金緑色の体色を持つのが特徴(いわゆる「ギンバエ」の一種)。キンバエ自体は直接植物の葉や茎を食害する害虫・病害虫ではない。主に動物の死骸や糞便、腐敗した有機物に集まって産卵し、幼虫(ウジ)はそれらを食べて育つ分解者。盆栽においては、未熟な有機肥料(油粕など)を使用した場合に腐敗臭に誘引されて飛来・産卵し、鉢土の表面にウジが湧いて不衛生要因となる。植物への直接被害はないが美観や衛生面での問題から毛嫌いされる不快害虫。防除としては、完全に発酵済みの肥料(完熟肥料)を使用する、肥料を土に軽く埋め込む、または化成肥料に切り替えるなどの方法でハエを寄せ付けない工夫をする。【関東】飛来が多い時期:4月〜10月。活動気温の目安:15〜28℃。

半翅目グンバイムシ科に属する吸汁性小型害虫。体長3〜4mmで、透明感のある羽の模様が日本の伝統的な「軍配(ぐんばい)」の形に似ていることからこの名がある。ナシやリンゴなどのバラ科果樹の重要害虫だが、その他サクラ、ウメ、ボケ、カエデなどの盆栽樹種にも広く寄生する。主に葉の裏側に群生して吸汁し、被害葉の表面には多数の白や黄色の小さな斑点(吸汁痕)が無数に現れ葉全体が白っぽくかすり状・退色状態となる。葉裏には黒いタール状の小さな糞が点々と付着するのが特徴で、ハダニ被害との見分けになる。深刻な場合は早期落葉や樹勢の著しい衰弱をもたらす。風通しの悪い場所で多発しやすい。発見次第、スミチオン等の有機リン系やネオニコチノイド系殺虫剤を葉裏までしっかり散布して防除する。冬季の粗皮削りも成虫の越冬場所を減らすため有効。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(年数回発生、夏場に多発)。蔓延しやすい時期:風通しが悪い高温期。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目ツトガ科に属する蛾の幼虫。通称「ズイムシ(髄虫)」。かつては日本の水稲の最重要害虫であり、年2回発生(二化)することが名前の由来(第一化は「芯枯れ」、第二化は「白穂」を引き起こす)。幼虫は体長20〜25mmで、淡黄褐色に背中に5本の紫褐色の縦スジが入る。食性は非常に狭く、イネやマコモなど水辺のイネ科植物の茎の中に潜り込んで(穿孔して)、内部から芯を食い荒らす。通常の樹木盆栽では発生しないが、イネドロオイムシと同様に、添え草としてのイネ科水生植物鉢や風情を楽しむ田植え盆栽などに侵入する可能性がある。茎の中に潜るため発見が難しく、芯の部分が枯れて抜ける「芯枯れ茎」を見て初めて気づくことが多い。被害茎は株元から切り取って幼虫ごと焼却・処分する。予防には粒剤(カルタップや浸透移行性薬剤)の水面施用が有効。【関東】被害が多い時期:6月〜7月(第一世代)・8月〜9月(第二世代)。蔓延しやすい時期:イネ科作物の生育期。活動気温の目安:22〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ゾウムシ科チョッキリ亜科に属する小型のゾウムシ。体長6〜9mmで、赤紫色から青緑色の強い金属光沢を持つ非常に美しい外見が特徴。モモ、ウメ、スモモ、サクラなどバラ科の果樹・花木に特異的に発生する。メス成虫は新梢や未熟な果実に口吻で穴を開けて産卵し、その直後に枝や果柄を切り落とす「チョッキリ行動」を行う。切り落とされた新梢や果実は地面に落ち、幼虫はその中で育つ。盆栽では春に伸びた大事な新芽や蕾、実が突然切り落とされる深刻な被害をもたらす。被害を防ぐには、成虫の発生期(新芽展開〜結実期)にスミチオン等の殺虫剤を予防散布する。また、切り落とされて地面に落ちた被害枝・果実は幼虫の発生源となるため直ちに拾い集めて処分することが重要。【関東】被害が多い時期:5月〜7月(新梢伸長・未熟果実肥大期)。蔓延しやすい時期:新梢伸長期。活動気温の目安:18〜26℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目ハマキガ科に属する蛾の幼虫。幼虫は体長18〜22mmで、淡緑色〜緑色の体色に黒褐色の頭部を持つ。リンゴ、ナシ、モモなどのバラ科果樹を好むが、サクラ、カエデ、広葉樹全般で発生する。成虫が葉に産卵し、孵化した幼虫は葉と葉を糸で綴り合わせたり、葉の縁を巻いたりしてその中に潜み、安全な巣の中から葉肉や新梢、蕾、果実の表面などを食害する。巣の中にいるため農薬がかかりにくく防除が厄介。盆栽では春の新芽展開期や初夏〜秋にかけて発生し、葉が綴られて見栄えが悪くなる。綴られた葉を手で開いて中の幼虫を潰すか、葉ごと切り取って処分するのが最も確実。農薬を用いる場合は、浸透移行性殺虫剤か、ハマキガ類に特異的な脱皮阻害剤などを散布する。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(年2〜3回発生)。蔓延しやすい時期:多発年は葉が著しく綴られる。活動気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目ドクガ科に属する中型の蛾。成虫は昼行性で真っ白な翅を持つが、幼虫はミズキ科やエゴノキ科(エゴノキ等)、サクラなどの広葉樹の葉を食害する毛虫である。幼虫は体長25〜35mmで、黒〜灰褐色の体に多数の黄白色の点や毛束があり、腹脚(足)が鮮やかな黄橙色(黄色い足)をしているのが和名の由来。「ドクガ」科に属するが、実は本種の一生(卵・幼虫・蛹・成虫)を通じて毒針毛を持たないため、人体への直接的な毒害はない(ただし毛虫特有の不快感はある)。しかし食欲が極めて旺盛で、大発生すると大木であっても一帯の樹木の葉を丸坊主に食い尽くすほどの暴食性を示す。盆栽でも飛来・発生した場合はあっという間に葉が失われる。防除としては集団行動する若齢期にスミチオンやBT剤などの殺虫剤で一網打尽にする。見つけ次第の捕殺も有効。【関東】被害が多い時期:4月〜6月(幼虫の活動期、初夏に成虫が群飛)。活動気温の目安:18〜25℃。
対応薬剤 4件

甲虫目ゾウムシ科に属する非常に小型のゾウムシ。体長3〜5mm程度と小さく、黒色〜暗褐色で光沢がある。名前の通り、花や蕾(つぼみ)を特異的に食害する害虫。春先、植物が蕾をつける時期に越冬から目覚めた成虫が飛来し、長い口吻を使って蕾に深い穴を開けて食害する。被害を受けた蕾は開花前に枯死して落下するか、花弁に穴が空いて奇形花となる。盆栽ではウメ、サクラ、バラ、ツバキなどの花物盆栽で春先の開花直前に被害が出やすく、一年間の丹精を台無しにされる厄介な存在。成虫は刺激を感じるとすぐにポロリと落ちて死んだふりをする。予防としては蕾が膨らむ時期にスミチオンなどの殺虫剤を散布しておく。被害が見られたら鉢の下に受け皿を置いて木を揺すり、落ちてきた成虫を捕殺する。【関東】被害が多い時期:4月〜7月(特に春の蕾・開花期に集中)。活動気温の目安:18〜26℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目スカシバガ科に属する大型の蛾の幼虫。成虫は名前に「スカシバ(透かし翅)」とあるように透明な翅を持ち、腹部に赤い帯があるハチに擬態した美しい姿をしている。しかし幼虫は体長35〜50mmの太く淡紅〜淡黄白色をしたイモムシで、広葉樹の太い枝や幹の内部を食い荒らす穿孔性害虫(テッポウムシの一種)である。モクセイ科(キンモクセイ、ヒイラギ等)やブナ科(シラカシ等)に特異的に多く発生する。幼虫が侵入した木は内部から食害されるため、徐々に樹勢が衰え、強風で枝が折れたり、ひどい場合は枯死する。幹や枝の表面に虫糞(フラス)と木屑が混じったヤニ状の塊が排出されるのが侵入のサイン。発見次第、排出孔から針金を入れて刺殺するか、専用のスミチオン専用ノズル(エアゾール)を注入して殺虫する。【関東】被害が多い時期:6月〜9月(幼虫は長期間内部に潜伏)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目ドクガ科に属するマイマイガなどに似た大型の毛虫の汎称(主に果樹を食害する毛虫全般を指すことが多いが、ここでは代表的な被害を想定)。幼虫は体長35〜45mmで、黒色の地に橙色の帯や毒々しい斑紋を持ち、多数の長い毛(毒針毛を持つ種類もいる)で覆われている。ナシ、リンゴ、モモなどのバラ科果樹を中心に、ウメ、サクラなどの盆栽にも飛来して葉を無差別に大食いする。集団で発生することが多く、放置すると短期間で丸坊主にされる危険がある。種類によっては触れると激しい皮膚炎(かぶれ)を起こすため、絶対に素手で触らないこと。防除の基本は若齢幼虫が集団でいる時期にスミチオン等の殺虫剤を一斉散布するか、葉ごと切り取って土に埋めて生殺する。【関東】被害が多い時期:5月〜7月・8月〜9月(年1〜2回発生)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目テントウムシ科に属するカイガラムシ捕食性の「益虫」だが、ここではしばしば害虫と誤認されるため記載。体長6〜8mmで、黒色の丸い体に2つの大きな赤い斑紋(星)がある。幼虫は灰色でトゲトゲした外見。成虫・幼虫ともにウメやサクラ等に寄生する「タマカタカイガラムシ」などのカイガラムシ類を専食する非常に有益な天敵。大量のカイガラムシがいる枝に突然現れるため、本種が植物を食害していると勘違いされて殺虫剤をまかれてしまう悲劇が多い。植物組織(葉や茎)を食べることは絶対にないため、見つけても絶対に殺さず保護すること。【関東】見られる時期:5月〜9月(カイガラムシの発生期に同調)。活動気温の目安:22〜30℃。

甲虫目ハムシ科カメノコハムシ亜科に属する小型の葉食い虫。体長5〜6mmで、全体が半透明の円盤型(陣笠のような形)をしており、中央部が黄褐色〜赤褐色でX字型の黒い模様があるのが特徴。一見するとテントウムシに似るが、葉の表面にぴったりと張り付く。ヒユ科(イノコヅチ等)やアカザ科を好むが、庭木や草もの盆栽の葉を食害することがある。成虫・幼虫ともに葉を円形または不規則に食い荒らす。動きが遅いため見つけ次第手で取り除くのが容易。多発する場合はピレスロイド系などの殺虫剤を散布する。【関東】被害が多い時期:4月〜8月。蔓延しやすい時期:新葉展開期から夏場。活動気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 3件

半翅目アブラムシ上科に属する特異な形態のアブラムシ。体長1.5〜2.5mmで、淡緑色〜黄緑色だが、体が非常に平べったく(扁平)、葉にぴったりと張り付くような形状をしているため、一見すると若齢のカイガラムシのように見える。カエデ類(モミジ、トウカエデ等)の葉裏に特異的に大発生しやすく、葉脈に沿って並んで吸汁する。被害葉は色素が抜けて黄色くかすれたようになり、重症化すると落葉する。また大量の甘露を分泌するため、下の葉がすす病で真っ黒になる。カエデ盆栽では美観を著しく損ねる厄介な害虫。冬場に石灰硫黄合剤で越冬卵を防除し、春先の発生初期にオルトラン等の浸透移行性殺虫剤で叩く。【関東】被害が多い時期:4月〜10月(長期間発生)。蔓延しやすい時期:春の新梢期〜夏。活動気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目(蛾)の幼虫のうち、植物の新梢(芯)や蕾、果実の内部に食い入って(穿孔して)加害するグループの総称。代表種にナシヒメシンクイ、モモハモグリガなど。幼虫は体長10〜20mmの淡褐色〜淡紅色のイモムシ。バラ科果樹(ウメ、モモ、リンゴ、ナシ等)の盆栽で最も警戒すべき害虫群の一つ。春先に伸びゆく新梢の先端部から内部に潜り込み、中を食い進む。被害を受けた新梢(芯)は黒く萎れて先端から枯れ曲がる(折れたようになる)。実もの盆栽では果実にも侵入してヤニと糞を出し、中を腐らせる。内部にいるため散布農薬が効きにくく、萎れた新梢を見つけたら、幼虫がいる部分の数センチ下で切り取って直ちに踏み潰す等の処分を行う。予防として新芽展開期から浸透移行性殺虫剤を定期散布する。【関東】被害が多い時期:4月〜8月(複数世代発生)。蔓延しやすい時期:第一世代の新梢期、その後の蕾・果実期。活動気温の目安:18〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目カミキリムシ科に属する小型のカミキリムシ。体長12〜18mmで、全体が黒〜焦げ茶色で、上翅に黄色〜薄褐色の不規則な斑紋(紋黄)を持つのが特徴。クヌギ、コナラなどのブナ科を中心とした広葉樹の、特に衰弱した枝や枯れ枝に好んで産卵する。幼虫(テッポウムシ)は枝や幹の内部を食害し、細い枝であれば中を空洞にして折れやすくさせる。盆栽での発生は多くないが、樹勢が落ちている雑木盆栽(カエデ、ケヤキ、ブナ科等)は狙われやすい。ヤニや木屑の混じった糞(フラス)が木肌から出ているのを見逃さず、直ちに専用の針金や薬剤を注入して駆除する。平素から樹勢を健全に保つことが最大の予防策。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫の飛来・産卵期)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

甲虫目カミキリムシ科に属する中型のカミキリムシ。体長15〜22mmで、黒色の地に多数の薄黄色〜白色の斑紋(パステル調の黄斑)がモザイク状に入る美しい種類。クロモンキカミキリと異なり、健全な(生きている)広葉樹の幹や太枝にも産卵して加害する。ヤマグワ(クワ)、イチジクなどのクワ科に特に多いが広食性。幼虫は強力な顎で生木の内部(木質部)をトンネル状に深く食い進むテッポウムシとして、樹勢の著しい低下や強風時の枝折れを引き起こす。盆栽ではクワ(桑)やイチジクの鉢植えで特に警戒が必要。幹から排出されるオガクズ状の糞(フラス)を見つけ次第、すぐに薬剤注入か針金による刺殺を行う。【関東】被害が多い時期:6月〜8月(成虫飛来・加害期)。蔓延しやすい時期:夏季。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ゾウムシ科に属する小型のゾウムシ。ヒメハナゾウムシの近縁。体長4〜7mmで、黒〜暗褐色で体表に短い毛がまばらに生える。他のゾウムシに比べて口吻が比較的短いのが特徴(太短い鼻)。名前の通り、春先に植物の花や蕾(つぼみ)、新芽に飛来して特異的に食害する。開花直前の蕾に深い穴を開け、内部の雄しべや雌しべを食べるため、花が咲かずに茶色く枯れて落ちる。サクラ、ウメ、アンズなどのバラ科花木類盆栽の観賞価値を根本から破壊する害虫。成虫は飛翔能力が高く次々と飛来する。開花前に予防的にスミチオンなどの殺虫剤を散布しておくのが有効。また木を揺さぶって下に落とし捕殺する。【関東】被害が多い時期:4月〜7月(特に春の蕾・開花期)。活動気温の目安:18〜26℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目シンクイガ上科などに属する極小型の蛾の幼虫の総称。ナシヒメシンクイなどが代表例。幼虫は体長8〜12mmの細いイモムシで、淡褐色〜白色。若い新梢の先端部や、果樹・花木の蕾の中に極めて小さな穴を開けて侵入し内部を食害する。被害を受けた新梢は先端から数センチが急に萎れて黒く枯れ下がり、蕾は内部が空洞化して開花しなくなる。バラ科植物(ウメ、モモ、サクラなど)の盆栽で新芽の展開期から初夏にかけて多発する。幼虫が内部にいるため外部からの農薬散布が効きにくい。初期段階で萎れた先端部の少し下をハサミで切り捨て、直ちに踏み潰して処分する。予防には浸透移行性殺虫剤を使用する。【関東】被害が多い時期:4月〜7月(複数世代を繰り返す)。活動気温の目安:15〜26℃。
対応薬剤 3件

カメムシ目マルカイガラムシ科の吸汁性害虫。成虫の介殻(殻)は直径2〜4mmほどのキレイな円形〜楕円形で、赤褐色・赤茶色をしているのが特徴。カンキツ類などの常緑果樹の枝葉に寄生して強固に張り付き、樹液を吸汁する。盆栽ではキンカンやミカン類などの枝にびっしりと付着して、美観を損ねると共に樹勢を著しく低下させる。殻に覆われているため成虫には殺虫剤がほとんど効かず、物理的に歯ブラシ等でこすり落とすのが最も効果的。薬剤で防除する場合は、幼虫が孵化して歩き回りまだ殻をかぶっていない時期(初夏〜夏)を狙ってスミチオン等の殺虫剤を散布する。冬期の石灰硫黄合剤やマシン油乳剤の散布も有効。【関東】被害が多い時期:5月〜9月(幼虫の孵化・移動期が防除の要)。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 6件

カメムシ目マルカイガラムシ科の吸汁性害虫。カンキツ類の最重要害虫の一つ。メス成虫の殻は長さ3〜5mmで、暗褐色で細長く先端が尖った「矢の根(矢尻)」のような特異な形状をしている(オスは小さい粉状)。カンキツ類の枝や葉、果実に頑固に付着して吸汁し、葉の黄化、枝の枯死を引き起こす。盆栽のミカン類で多発すると致命傷となる。他のカイガラムシ同様、成虫には通常の殺虫剤が効かない。越冬期の冬〜早春にマシン油乳剤や石灰硫黄合剤を徹底散布し、さらに初夏の第1世代幼虫の発生期(歩行期)にスミチオン等の殺虫剤を散布して防除する。少数なら竹串や歯ブラシで丁寧にこそぎ落とす。【関東】被害が多い時期:5月〜10月(年2〜3回発生)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 5件

カメムシ目コナカイガラムシ科の吸汁性害虫。体長2〜4mmで、体が白い粉のようなロウ物質で覆われているため、白〜淡黄色のふわふわ・粉っぽい塊に見えるのが特徴。マルカイガラムシ類と異なり、成虫になっても固い殻を持たず、ゆっくりとだが移動できる。名前の通りクワやイチジクに多いが、ブドウ、カキ、カンキツなど非常に多くの植物の枝の分岐部、葉の付け根、果実のヘタなどに潜み込んで群生し吸汁する。排泄物(甘露)で酷いすす病を誘発し、株全体が真っ黒になる。盆栽の入り組んだ枝葉の間に発生しやすく、ロウ物質が水を弾くため農薬が効きにくい。発見次第、歯ブラシやピンセットで物理的に完全に取り除く。気門封鎖系の薬剤も有効。【関東】被害が多い時期:5月〜10月(高温多湿な夏に多発)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 5件

半翅目カメムシ亜目カメムシ科に属する大型の吸汁性害虫。体長18〜24mmに達する日本最大級のカメムシ。全体が暗褐色で、ツヤがなくザラザラした質感をしている。カンキツ類などの果樹類によく発生し、果実や新梢の汁を吸う。吸汁された果実はスポンジ状の奇形になったり、組織が褐変・腐敗して落果する。刺激を与えると強烈な悪臭を放つ防御液を噴射する。盆栽では実もの盆栽(ミカン、キンカンなど)が標的となる。大きく目立つため、手で捕殺する(臭いに注意し、ピンセットや粘着テープ、ペットボトル落とし等を使う)。飛来初期に予防的に殺虫剤を散布する。【関東】被害が多い時期:6月〜10月(夏〜秋の果実肥大・成熟期)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

甲虫目ハムシ科サルハムシ亜科に属する植物食性の甲虫。体長3〜5mmで、体全体が青藍色や黒緑色の美しい金属光沢を持ち、上翅(背中)に明瞭な黄色〜白黄色の星状の斑紋が4箇所ある特徴的な外見をしている。ブドウ、サルナシ、カキなどの果樹や、カエデなどの広葉樹の葉を成虫が不規則に食い荒らして穴だらけにし、ひどい場合は葉脈だけを残して食い尽くす。盆栽ではブドウやカキの実もの盆栽の葉が著しく損なわれる。幼虫は土中で根を食べる。成虫を見つけたら直ちに捕殺するか、ピレスロイド系やネオニコチノイド系の殺虫剤を散布して駆除する。【関東】被害が多い時期:5月〜8月(初夏〜夏に発生)。活動気温の目安:22〜30℃。
対応薬剤 3件

鱗翅目ヤガ科に属する大型の蛾の幼虫。幼虫は体長35〜42mmで緑・黄・褐色など色彩変異が激しい。極めて広食性の農業大害虫で、バラ科、ナス科、キク科などあらゆる植物を加害。最大の特徴はその行動で、葉を食べるだけでなく【蕾や花、未熟な果実の中に直接頭から食い入る(穿孔する)】ことである。一つの蕾や実を食べ尽くすと次々と隣に移動して穴を開けていくため被害甚大。盆栽ではバラやキクなどの花物、トマトやカキなどの実物盆栽が標的となり、蕾や実の中に食い込んでいる幼虫のお尻だけが見える状態になる。果実や蕾の中に潜ると農薬が効かない。穴の空いた蕾や実を見つけたら、中に幼虫がいるため直ちに切り取って潰す。予防として開花・結実初期にスピノサド系などの殺虫剤を散布しておく。【関東】被害が多い時期:7月〜10月(盛夏から初秋にかけて多発)。活動気温の目安:24〜30℃。
対応薬剤 6件

カメムシ目マルカイガラムシ科の吸汁性害虫。アカマルカイガラムシに似るがさらに小さく、成虫の殻は直径1.5〜3mm程度の淡黄色〜明褐色の円形。クワ、ウメ、モモ、カキなどの落葉果樹や広葉樹全般の枝・幹・葉に寄生して吸汁する。繁殖力が非常に強く、枝にびっしりと雪が積もったように重なり合って寄生し、吸汁と毒素注入によって枝を枯死させる。盆栽でも梅や桜の古枝に発生しやすく、徐々に樹勢低下を招き「枝枯れ」の直接原因となる危険性が高い。冬期落葉期の石灰硫黄合剤散布が最も効果的で必須の予防策。生育期(5〜7月の幼虫発生期)にはスミチオン等で叩く。古い樹皮の隙間に潜るため、真鍮ブラシ等でのこすり落とし(粗皮削り)も有効。【関東】被害が多い時期:5月〜9月。蔓延しやすい時期:第一世代幼虫の分散期。活動気温の目安:20〜28℃。
対応薬剤 5件

甲虫目テントウムシ科の代表的な天敵昆虫。ナミテントウ、ナナホシテントウなどが代表種。成虫・幼虫ともにアブラムシを大量に捕食し、1匹のテントウムシが生涯で数百〜数千匹のアブラムシを食べる。盆栽では特にウメ、カエデ、バラなどアブラムシが発生しやすい樹種の周囲に自然発生することが多い。春先(4〜5月)にアブラムシの発生とほぼ同時期に活動を開始する。幼虫は黒〜灰色でトゲ状の突起があり、成虫以上にアブラムシを捕食する。農薬散布のタイミングに注意し、テントウムシの活動期にはできるだけ選択性の高い薬剤を使用するか、テントウムシがいない時間帯に散布する。コナカイガラムシを食べる種(ベダリアテントウ)もいる。【関東】活動時期:3月〜11月(特に4〜6月に活発)。活動気温の目安:15〜30℃。

脈翅目クサカゲロウ科の天敵昆虫。成虫は薄緑色の繊細な翅を持ち、夜間に灯火に飛来する。幼虫は「アリジゴク」に似た紡錘形で、大あごでアブラムシ、ハダニ、カイガラムシの幼虫、コナジラミの卵・幼虫などを捕食する。「アブラムシライオン」とも呼ばれるほど旺盛な食欲で、1匹の幼虫が成長過程で200〜500匹のアブラムシを捕食する。盆栽棚に自然に飛来するため、農薬の過度な使用を控えることで定着を促進できる。卵は糸状の柄の先端にぶら下がる独特の形態(優曇華の花)で、葉裏や枝先に産み付けられる。【関東】活動時期:4月〜10月(年2〜3世代)。活動気温の目安:15〜30℃。

双翅目ハナアブ科ヒラタアブ亜科の天敵昆虫。成虫はハチに似た黄色と黒の縞模様を持つが刺さない。ホバリング飛行が特徴的。幼虫はウジ状で半透明の緑〜黄色で、アブラムシのコロニーの中に紛れ込んで大量に捕食する。成虫は花の蜜や花粉を食べるため、花のある環境を維持することで誘引できる。1匹の幼虫が蛹化までに200〜700匹のアブラムシを食べる。盆栽棚の近くに花を植えておくと自然に飛来し産卵する。ホソヒラタアブ、フタホシヒラタアブなどの種がいる。【関東】活動時期:3月〜11月(春〜秋を通じて複数世代)。活動気温の目安:12〜28℃。

カマキリ目カマキリ科の大型捕食性昆虫。オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどが代表種。鎌状の前脚で獲物を素早く捕らえ、ケムシ・イモムシ、バッタ、カメムシ、ハエ、蛾など幅広い害虫を捕食する。待ち伏せ型の狩りを行い、盆栽棚に定住することで継続的な害虫抑制効果を発揮する。秋に泡状の卵鞘(らんしょう)を枝や棚に産み付け、翌春に数百匹の幼虫が孵化する。幼虫も成虫同様に肉食性で、小さいうちからアブラムシやコバエなどを捕食する。盆栽愛好家の間では「番人」として親しまれている。【関東】活動時期:5月〜11月(卵で越冬、4〜5月に孵化)。活動気温の目安:20〜35℃。

クモ目(蛛形綱)に属する節足動物の総称。盆栽棚周辺に生息するハエトリグモ、コガネグモ、ジョロウグモ、アシダカグモなどが害虫を捕食する。造網型のクモ(コガネグモ、ジョロウグモなど)は巣で飛翔性害虫を捕らえ、徘徊型のクモ(ハエトリグモなど)は葉上を歩き回りながらハダニ、アザミウマ、コバエ、小型のケムシなどを捕食する。特にハエトリグモは葉裏のハダニを見つけ出して捕食するため、ダニの天敵として重要。クモの巣を除去しすぎないことが、盆栽棚の生物的防除に役立つ。【関東】活動時期:3月〜11月(一部の種は通年活動)。活動気温の目安:10〜35℃。

ダニ目カブリダニ科の捕食性ダニ。ハダニの最も重要な天敵の一つ。ミヤコカブリダニ、チリカブリダニなどが代表種。体長0.3〜0.5mm程度と極めて小さいが、ハダニやそのの卵を活発に捕食する。1匹のカブリダニが1日に5〜20匹のハダニを捕食し、ハダニの密度を効果的に抑制する。非選択性の殺ダニ剤はカブリダニも殺してしまうため、ハダニ防除では選択性の高い殺ダニ剤(カブリダニに影響の少ないもの)を選ぶことが重要。盆栽ではカエデ、ケヤキなどハダニが発生しやすい樹種の葉裏に自然に生息している。肉眼ではほとんど確認できないが、ルーペで観察すると素早く動き回る洋梨型のダニとして識別できる。【関東】活動時期:4月〜10月。活動気温の目安:20〜30℃。

膜翅目スズメバチ科アシナガバチ亜科の社会性昆虫。セグロアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、キアシナガバチなどが代表種。幼虫の餌として、ケムシ・イモムシ(蛾の幼虫)を狩り、肉団子にして巣に運ぶ。1つの巣で1シーズンに数百〜千匹以上のケムシを捕獲するため、盆栽棚のケムシ対策として極めて有効な天敵。盆栽棚の軒下や棚の裏側に巣を作ることがあるが、人を積極的に攻撃することは少ない(巣に近づきすぎなければ安全)。ただし刺されるとアナフィラキシーショックのリスクがあるため、アレルギー体質の人は注意が必要。通行に支障のない場所の巣は、できるだけ残しておくとケムシの被害が大幅に減少する。【関東】活動時期:4月〜10月(女王蜂は5月から営巣開始)。活動気温の目安:15〜35℃。

膜翅目の各種寄生性ハチの総称。アブラバチ(アブラムシに寄生)、アオムシサムライコマユバチ(アオムシに寄生)、カイガラヤドリコバチ(カイガラムシに寄生)など多数の種がある。害虫の体内に産卵し、幼虫が害虫を内部から食べて成長するため、目に見えない形で害虫の個体数を大幅に抑制する。アブラバチに寄生されたアブラムシは膨れて金色〜茶色の「マミー」となり、内部で蜂の蛹が育つ。盆栽棚で「マミー化」したアブラムシを見つけたら、寄生蜂が活動している証拠なので、むやみに薬剤散布しないのが賢明。花のある環境を維持することで成虫を誘引できる。体が非常に小さいため肉眼では気づきにくいが、生物的防除の要として極めて重要。【関東】活動時期:4月〜10月(害虫の発生と連動)。活動気温の目安:15〜30℃。

貧毛綱に属する環形動物。フトミミズ科やツリミミズ科が代表的。盆栽の用土内で有機物を分解し、土壌の通気性・排水性・保水性を改善する「土壌の技師」。ミミズが通った穴(ミミズ穴)は根の伸長経路となり、糞土は良質な団粒構造を持つ。ただし盆栽鉢内で大量に繁殖すると、根を傷つけたり、排水穴を塞いだりすることもあるため、適度な数を維持するのが理想的。ミミズの存在は土壌の健全性の指標であり、農薬の過度な使用はミミズの個体数を減少させる。有機質肥料を施すことでミミズの活動を促進できる。鉢植えの場合は大量発生を避けるため、有機物の量を調整する。【関東】活動時期:通年(春秋に活発、真冬・真夏は深部に潜る)。活動気温の目安:10〜25℃。

双翅目ハナアブ科の昆虫。ヒラタアブ以外のハナアブ類の総称で、ナミハナアブ、オオハナアブ、ホソヒメハナアブなどが含まれる。成虫はミツバチに似た外見で花に飛来し、花粉媒介者(ポリネーター)として重要な役割を果たす。盆栽ではウメ、サクラ、ボケ、サツキなど花物盆栽の受粉を助け、実もの盆栽の結実率を向上させる。一部の種の幼虫は朽木や腐植質を分解して土壌の有機物循環に貢献する。ミツバチと異なり刺すことがないため安全。花の多い環境を維持することで誘引でき、盆栽棚の生態系を豊かにする。【関東】活動時期:3月〜11月(春〜秋にかけて長期間活動)。活動気温の目安:12〜30℃。

甲虫目オサムシ科ゴミムシ亜科の地表性捕食昆虫。ナガゴミムシ、ヒラタゴミムシ、アオゴミムシなどが代表種。夜行性で、盆栽棚の下や鉢の周辺を徘徊しながらネキリムシ(ヤガの幼虫)、ナメクジ、ダンゴムシ、小型のケムシなどの地表・地中性害虫を捕食する。盆栽鉢の底や棚下に石や板を置くと隠れ場所となり、定住を促進できる。化学農薬の地面への散布はゴミムシの生息に悪影響を与えるため、必要最小限にとどめる。「ゴミムシ」という名前だが実際は有益な捕食者で、夜間に害虫の個体数を大幅に抑制してくれる。【関東】活動時期:3月〜11月(夜行性、春秋に活発)。活動気温の目安:10〜28℃。

脈翅目クサカゲロウ科の日本在来種。クサカゲロウの中でも特に盆栽害虫の天敵として重要な種。成虫は体長15〜20mmで薄い黄緑色の翅を持つ。幼虫はアブラムシ、ハダニ、カイガラムシ幼虫、コナジラミ、アザミウマなど幅広い微小害虫を捕食する万能天敵。施設園芸では天敵製剤として商品化されるほど防除効果が高い。盆栽棚では夜間に灯火に集まる成虫を見ることができ、翌日には葉裏に優曇華の花(卵)が産み付けられていることがある。農薬使用を控えめにすると自然に定着し、害虫の発生を予防的に抑制してくれる。【関東】活動時期:4月〜10月(年2〜4世代を繰り返す)。活動気温の目安:15〜30℃。