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非イオン系展着剤の中でも浸透力に特化したタイプです。主成分はポリオキシエチレン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルなどで、植物のクチクラ層(表面のろう質の保護膜)を軟化させて薬剤を内部に送り込む『機能性展着剤』に分類されます。 代表的な製品には「アプローチBI」があります。浸達性展着剤とも呼ばれ、特に浸透移行性の殺菌剤(EBI剤やベンゾイミダゾール系など)と組み合わせると相乗効果が高く、病害の予防・治療効果を大幅に引き上げます。
通常の展着剤が「薬液を表面に留める」ことを目的とするのに対し、エステル型は「薬液を内部に浸透させる」ことに優れています。 ・浸透促進:植物のクチクラ層(ワックス質の保護膜)を一時的に軟化させ、有効成分を葉の内部組織へ素早く移行させます。浸透移行性殺菌剤と併用すると吸収速度が1.5〜3倍向上するとされています ・予防効果の強化:薬剤が植物体内に取り込まれるため、表面が雨で洗い流されても効果が持続します。うどんこ病や黒星病など、菌糸が組織内に侵入する病害の予防に特に有効です ・展着性:表面に広がる力も備えており、葉全体に均一な保護膜を形成します 盆栽では、梅雨時期の殺菌剤散布や、黒松の葉ふるい病予防など、浸透移行性殺菌剤と組み合わせる場面で真価を発揮します。
【薬害リスク】浸透力が非常に強いため、薬害が出やすい条件では注意が必要です。特に以下の場面では濃度を薄めにするか使用を避けてください。 ・新芽の展開直後(柔らかい組織は薬剤を吸収しすぎる) ・高温乾燥時(35℃以上、湿度40%以下) ・樹勢の弱った樹への散布 【効果的な使い方】気温20〜28℃、湿度60%以上の朝夕に散布すると浸透効率が最大になります。乾燥が早すぎると浸透する前に薬液が乾いてしまいます。 【混用の注意】マシン油乳剤との混用は薬害リスクが高いため避けてください。銅剤(ボルドー液等)との混用も推奨されません。 【盆栽での使い方】トップジンM・ベンレート等の浸透移行性殺菌剤と併用して、梅雨前〜梅雨中の予防散布に加えると効果的です。希釈倍率は製品ラベル(通常1,000倍)を守ってください。