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農薬の剤型ごとの特徴と使い方
水に溶けにくい有効成分を、有機溶媒(キシレン等)に溶かして液状にし、水と混ざりやすくするための乳化剤成分を加えた製剤です。使用時に水に加えると白く濁って(乳化して)均一な散布液になります。有効成分が植物体に均一に付着・浸透しやすく、速効性に優れるのが特徴です。ただし、高温時や幼苗期には薬害が出やすい場合があるため濃度・使用条件に注意が必要です。
水に溶けにくい有効成分を微細な粉末状に粉砕し、水に均一に混ざるように界面活性剤(展着剤成分)を配合した粉状の製剤です。使用時は水に溶けるのではなく、細かい粒子として水中にフワフワと漂う状態(懸濁液)になります。乳剤に比べて植物への薬害リスクが低いため使いやすいですが、散布後に葉の表面に白い粉の跡が残りやすいという特徴があります。
水和剤と同じように水に溶けにくい有効成分を微粉砕し、あらかじめ水中に均一に分散させてドロドロの液状(懸濁液)にした製剤です。「液状の水和剤」とも呼ばれます。水和剤に比べて計量がしやすく、粉立ちが一切ないため作業者の吸入リスクを低減できるメリットがあります。また、散布後の葉への汚れ(白残り)も水和剤より少なめです。
有効成分を鉱物質などの細かな粒(キャリア)に染み込ませたりコーティングしたりして、直径0.3〜1.7mm程度の粒状にした製剤です。水に溶かさず手や散布機でそのまま土壌表面にパラパラと撒くか、土壌に混和して使用します。有効成分が根から吸収されて植物全体に移行し、長期間にわたり効果が持続するもの(浸透移行性)が多く、防除の手間を劇的に省けるのが最大の利点です。
水に完全に溶け切る有効成分を用いて作られた、粉末または顆粒状の製剤です。水和剤と見た目は似ていますが、水に加えると濁ることなく完全に溶けて透明な水溶液になります。そのため散布後の植物の葉などに白い薬の跡(汚れ)が残らず、観賞価値を重視する盆栽や花卉類での使用に非常に適しています。ノズルの目詰まりが起きないのも利点です。
有効成分をクレーやタルクなどの微細な鉱物質粉末と混合した製剤です。水で希釈せず、そのまま散粉機などで植物や土壌に振りかけて使用します。すぐに葉に付着して速効性を示しますが、風で飛散しやすいため周囲への配慮が必要です。鉢植えの盆栽などでは、用土の表面に少量を均一にまぶすような使われ方をすることもあります。
希釈済みの有効成分を小型容器に封入し、ガス圧で噴射するスプレー(エアゾル)や、ハンドスプレー(AL剤)の形にした、そのまま使える製剤です。水で薄める手間がなく、害虫や病気を見つけた時にその部位にすぐ直接噴霧できるため、ごく少数の鉢植えやベランダ園芸などに非常に便利です。ただし成分濃度は固定されており、またコスト面から大規模な散布には向きません。
有効成分を微細な高分子の被膜(極小のカプセル)で包み込み、水中に分散させた製剤です。散布後、カプセルの壁から徐々に成分が染み出したり、害虫が踏んでカプセルが割れたりすることで効果を発揮します。成分の実効期間が非常に長く持続し、人間や動物に対する毒性や、植物への薬害リスクを劇的に低減できる、安全性が高く環境に優しい高度な製剤技術です。
有効成分を水や有機溶剤に溶解させた液体製剤です。水で希釈して使用します。水和剤やフロアブルと異なり、有効成分が完全に溶解しているため沈殿や詰まりがなく、散布ムラが少ないのが特長です。モスピラン液剤などが代表例。