農薬の混用(タンクミックス)は、手順を誤ると薬害・沈殿・効果低下を引き起こします。本コラムでは「どう混ぜるか」の具体的な技術を解説します。混用できる・できない組み合わせは各薬剤の詳細ページをご参照ください。
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■ 第1ステップ:ジャーテスト(必ず実施)
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初めて試みる組み合わせ、または久しぶりに使う組み合わせは、本散布前に必ずジャーテストで物理的適合性を確認してください。
【テスト手順】
① 透明なガラス瓶(200〜500mL)に散布予定の割合の水を入れる
② 実際に使う予定の順番・比率で各農薬を加える
③ 静かに振って混合し、30分〜1時間静置する
④ 以下の異常がないか観察する
【NGサイン(使用禁止)】
・白い沈殿や固まりが生じる
・液体が層に分離する(油層・水層の分離)
・急激な発熱または泡立ちが見られる
・混合後に色が急変する
・ゼリー状の塊が生じる
→ いずれかが見られた場合は混用不可です。別々に散布してください。
【OKサイン(使用可能)】
・均一な色・質感を保っている
・沈殿や分離がない
・静かに振れば元の状態に戻る(軽い沈殿は振れば分散するものもある)
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■ 第2ステップ:調製順序の原則
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「水に水→展着剤→水和剤→フロアブル→乳剤の順(テニス法)で加える」が鉄則です。
① タンクに規定量の水の半量を入れる
② 水和剤(WP)・顆粒水和剤(WG)を加えてよく撹拌する
※ 粉末が水面に浮かないよう、水を回しながらゆっくり加える
③ 残りの水を加えてさらに撹拌する
④ フロアブル(FL・SC)を加えて撹拌する
⑤ 乳剤(EC)を加えて撹拌する
⑥ 水溶剤(SP)を加えて撹拌する
⑦ 展着剤を最後に静かに加える
【銅剤・石灰硫黄合剤を混用する場合の特例】
銅剤(Zボルドー等)は他の成分の効果を分解することがあります。混用適否は各薬剤のラベルで確認し、混用可能な場合は最後から2番目(展着剤の前)に加えてください。
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■ 第3ステップ:希釈計算の方法
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複数の農薬を混用するときの計算式です。
【基本計算式】
使用量(mL)= タンク容量(L)÷ 希釈倍率
【例:10Lタンクに2剤を混用する場合】
・ダコニール1000(希釈1,000倍): 10L ÷ 1,000 = 10mL
・スミチオン乳剤(希釈1,000倍): 10L ÷ 1,000 = 10mL
→ 水10L + ダコニール10mL + スミチオン10mL
【注意】
・各農薬の希釈倍率は単独使用時の基準です。混用すると薬液中の成分濃度が変わるため、より少なめに使う(各農薬を規定倍率の上限付近に設定する)のが安全です。
・同系統の成分(例:有機リン系2剤の混用)は、それぞれの薬害リスクが相乗して増大するため特に注意が必要です。
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■ 調製後のルールと注意事項
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・調製後は速やかに使用する(長時間放置すると分解・変質する)
・余った薬液は適切に廃棄する(土壌や水系への廃棄は禁止)
・散布中はタンクを定期的に軽く振り、沈殿を防ぐ
・使用後は噴霧器をよく水洗いする(残液が腐食の原因になる)
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■ 混用の大原則
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1. 各農薬ラベルの「混用禁止」「使用上の注意」を必ず確認する
2. 農薬メーカーの混用適否表(公式サイト掲載)を参照する
3. 各薬剤の詳細ページで混用NGの薬剤を確認する
4. 3剤以上の混用は物理的・化学的リスクが急増するため避けるのが望ましい
5. 不明な場合は混用せず、間隔を空けて別々に散布する
※ 農薬の混用は使用者の自己責任で行うものです。初めての組み合わせは必ず小面積でテスト散布してから本散布してください。
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