盆栽の冬越しと春の芽出しは複数の植物ホルモンが精密に連携した結果です。本コラムでは休眠の誘導・維持・打破に関わるホルモンのメカニズムと盆栽管理への応用を解説します。
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■ 休眠の3段階
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1. 準休眠(paradormancy):他の器官からのシグナル(オーキシン等)による成長抑制
2. 内生休眠(endodormancy):芽自体が内因的に成長を停止。低温を一定期間経験しないと打破されない
3. 環境休眠(ecodormancy):内生休眠打破後、環境条件(低温・短日)が成長を抑制
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■ 休眠誘導のホルモン変化
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秋に日長が短くなり気温が低下すると:
・ABA増加:短日と低温がABA合成を促進。芽の成長停止と耐凍性遺伝子の発現を誘導
・サイトカイニン減少:根の活動低下に伴い合成量が減少。葉の老化が進行
・エチレン一時的増加:離層形成を促進し落葉を誘導
・ジベレリン減少:節間伸長が停止し頂芽が休眠芽に転換
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■ 休眠打破と春の芽出し
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内生休眠の打破には一定期間の低温(0〜7℃)が必要。この期間中:
・ABAの分解が進行
・GA合成が開始
・GA/ABA比が上昇 → 休眠打破のシグナル
春に気温が上昇すると:
・ジベレリン増加 → 芽の膨張と展開
・サイトカイニン増加 → 根の活動再開で合成再開
・オーキシン合成開始 → 新芽から極性輸送が再開
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■ 盆栽管理への応用
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【冬越し】
・秋に施肥停止・水やり減で ABA合成を促進し休眠移行を支援
・徐々に低温に慣らす(ABA蓄積と耐凍性獲得の時間確保)
・暖房室内に長期間置くと低温要求量が不足し翌春の芽出しが不均一に
【春の芽出し促進】
・低温要求量充足後は日当たりの良い場所に移動
・土壌温度上昇後に水やりを増やしサイトカイニン合成を促進
・芽出し直後の施肥は控えめに(新根展開後から本格施肥)
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