植物の生長に最も多く必要とされる三大要素は、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)です。この三つの栄養素のバランスを理解することが、盆栽の施肥管理の出発点となります。
窒素(N)は「葉肥」と呼ばれ、葉や茎の生長を促進します。盆栽では徒長を防ぐため、時期に応じた窒素量のコントロールが特に重要です。春先の芽出し期には適度に必要ですが、紅葉樹では夏以降に窒素を断つことで美しい紅葉が実現します。
リン酸(P)は「花肥」「実肥」と呼ばれ、花芽分化・開花・結実を促します。花物盆栽(梅・皐月等)では花芽分化期にリン酸を重視した施肥が重要です。また根の発達にも関与するため、植え替え後の根の回復にも寄与します。
カリウム(K)は「根肥」と呼ばれ、根の発達と耐寒性・耐病性の向上に寄与します。秋肥ではカリウムを多めに配合するのが盆栽の定石で、冬越しの体力と翌春の力強い芽出しの基盤を作ります。
三大要素以外にも、カルシウム・マグネシウム・硫黄の二次要素、鉄・マンガン・ホウ素などの微量要素があり、植物の健全な生育にはこれらすべてが必要です。有機肥料を主体に使うことで、微量要素も自然に補給されるのが盆栽管理の利点です。
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